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1章-p6.5
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ダードがリラレルとザムシルの家に居候して1週間が経った。初めてきた時は警戒していたリラレルも本当に優しく接してくれるし、ザムシルも何だかんだで時々小言を挟みつつよく面倒を見てくれた。ただ地獄の食事&運動メニューは少しハードだった。
リラレルは基本的には家にいて、庭の花の世話をしたり、本を読んだり、遊びに来る小さい妖魔と茶会をしている。
ザムシルは家事全般と買い物をし、家にいる時は机に向かって何かブツブツ言っていたり、時々どこかに出掛けている。
そんな事が何となく分かってきたある日。
ダードはかねてよりの疑問をぶつけてみることにした。
朝食後少したってから、リラレルが本を読みながらお茶をすすっている。ザムシルは買い物のため外出中だ。
「なあリラレル少し聞きたいことがあるんだが、いいか」
「ええいいわよ、何かしら」リラレルは本をゆっくり閉じるとこちらを向いた。
「リラレルはザムシルと恋人関係じゃないのか?」
リラレルはそれを聞いてふふっと嬉しそうに笑った。
「そんなふうに思ってたの?」
「ここに来るまではそうなんじゃないかと思っていたが、なんとなく違う気もして聞いてみたかったんだ。」ダードはなんだかほんの少しだけドキドキしていた。
「ええ、あなたの思う通り違うわ。あくまであの子と私は主従関係というのが一番ふさわしいわね。今は家族みたいと呼ばれるのが理想なんだけど、恋人と言うには程遠いわ。」
リラレルはうーんと考えるようにほほに手を当てる。
「あの子が私に向けてくる感情は尊敬とか崇拝みたいなものなの。もちろん恋愛感情をくれたらそれはそれで嬉しいんだけど、ほらあの子ってとっても生真面目でしょう。それに…」
そう言いかけたとき玄関口の扉が開きザムシルが帰ってきた。
「ただ今戻りました。…ああ、なにか話の途中でしたか?」
「ええ大丈夫よ。あなたの話をしていたの。ダードがザムに興味あるみたいだから。」ダードは口を挟まなかったがそうゆうことに解釈されたらしい。
「はぁ、そうですか。」
ザムシルはちらとダードの顔を見たがすぐに目を逸らし、買ってきた食材を食物庫へ運び始めた。
「だからねダード、ザムもあなたのこと気にいってるみたいだから仲良くしてあげてね。」
本当に気に入られているのだろうか、と少し不思議に思ったが、疑問が晴れてすっきりしたダードは、
「恩は返したい、そうさせてもらう。」と言った。
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