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「久しぶり、悠」
インターホンを鳴らし画面越しに雪也は挨拶をした。
悠は家事をしていた手を止め、急ぎ玄関へ向かう。
「ユキ!」
「ははっ、そんなに慌てなくても俺は消えたりしないのに」
扉を開けるとそこには大きなキャリーバッグとラフな格好をした雪也がいた。
「…連絡してくれたら迎えに行ったのに」
「ごめんごめん、悠を驚かせたくて」
悠は雪也のわしゃわしゃと頭を撫でる手が気持ち良くて甘えた様にその手を掴み頬に擦り合わせた。
「…ユキの手、やっぱり落ち着いて好きだな」
「ホント??俺なんかの手でよければいつでもどうぞ」
雪也は人懐っこい笑顔で頬を撫でるとそのまま前に向き直った。
「忍も久しぶり」
悠は、まさか、と後ろを振り返ると、そこには不機嫌そうに雪也を見つめる忍の姿があった。
「雪也久しぶりだね、元気にしてた??」
「あぁ、忍も元気そうだな」
「まぁね、ほら悠、いつまで外に居させるつもりだよ。早く中に上げてやれ」
不機嫌そうに見えたのは見間違いだったのだろうか、忍は普段通りの笑顔で雪也を迎えている。
悠は確かに疲れているだろうし先に中に上げてあげればよかったなと思い、「気が利かなくてごめんね、上がって?」と雪也を中に通した。
「ユキ、お茶でもいい??」
「うん、大丈夫だよ。ありがと悠」
ソファーに座り向かい合っている雪也と忍にお茶を出して悠も雪也の隣に腰を下ろした。
「悠、元気にしてた?」
「うん、してた。」
隣に雪也のいることが嬉しくて悠は顔を綻ばせた。
「悠はまた綺麗になったね、これじゃあモテモテだろ???」
「ふふっ、…男なんだから綺麗なんて言われても嬉しくないよ?それにモテもしない」
「本当に???忍もすごくかっこよくなってモテてそうだし、2人とも恋人いないの??」
「残念ながら、俺にも悠にもいないよ。雪也は恋人できた?」
「んーー、俺も今はいないんだよね。別れちゃってさ」
「…そうなの?でもユキの恋人になれた子は幸せだね」
「どうして?」
雪也は不思議そうに悠を見る。
「だって、俺はユキのそばにいれるだけで幸せだもん」
「…ほんっっとうに悠は可愛いなぁ!!!持って帰りたいくらいだよ!!」
ぎゅっと悠を抱きしめて頭を撫でる雪也に悠は苦笑した。
「苦しいって」
「可愛いこと言う悠が悪い!!!」
そんな2人を黙って見ていた忍が突然「そういえば」と声をかけた。
「雪也、どこで寝る?空いてる部屋はあるんだけど物置みたいになってるし俺の部屋でよければ使ってよ」
「俺は忍の部屋でも全然構わないけど、忍はいいのか??」
「もちろん。俺は悠の部屋で寝るし好きに使いなよ」
その言葉に今まで大人しく雪也の腕の中にいた悠が忍を見た。
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