アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
クリスマス6
-
ちゃんと謝ろう。と風呂から出ると、温和が近付いて来た。
見ると、さっきまでの険しい表情ではなくて、安心する。
そして、俺を抱きしめてくれた。
「どうして、泣いてるの?」
俺を抱きしめ、背中を擦ってくれる手は優しくて、また涙が出てくる。
「温和…ごめんなさい。俺、温和に会いたくて…仕事で疲れてるのに…押し掛けて…迷惑かけて…ごめんなさい」
嗚咽混じりで、伝わったかわからないけど、温和はギュッと強く抱いて俺が、泣き止むまでずっと、撫でてくれていた。
「はぁ…」
「落ち着いた?」
「うん」
「千、おいで」
とソファーではなく、床に座らされる。
「はい。温まるから」
と出されたのは、ホカホカと湯気の出ているスープだった。
「おいしい♪」
お風呂に入って温まっていたけど、スープで気持ちも落ち着いてくる。
「よかった」
そういうと、温和は俺の後ろに座り、俺の腹に腕回して抱きしめると、肩に顔を置いた。
「温和?」
「ん~なに?」
「飲みにくいんだけど…」
「我慢して…」
我慢って…
「千、俺達、何日会ってなかったか知ってる?1ヶ月だよ。今日で1ヶ月…
俺は千之助不足で死にそうだったの。
だから、補給させて」
とクンクン臭いを嗅いだり、すりすりと顔を頬にくっ付けだした。
温和、犬みたい…なんか可愛い?
「まさか、千が会いに来てくれるとは思わなかったから、すごく嬉しい。」
「本当に?迷惑じゃなかった?」
「何で?ずっと会いたかったよ」
…言ってもいいかな…。
「温和の仕事が忙しいのは、わかってたけど、電話もすぐに切っちゃうし、今日も怒ってたから…俺に飽きたのかもって」
だんだん、顔が俯いてしまう。
だったらどうしよう…
「千、こっち向いて…」
温和が低い声で言う。怒った?
恐る恐る振り向くと、俺を見つめる温和の
眼と視線がぶつかる。
「不安にさせてごめんな。俺は千之助が好きだよ。誰よりも大切なんだ。これだけは覚えていて」
温和の顔が近付いて唇に触れた。
「温和…」
久しぶりのキスはいつもより甘い気がした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
63 / 107