アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
意地悪
-
「ふふっ」
ん?楓がやたらと機嫌がいい・・・・・・と言う事は
「お前、また何か企んでるな?」
「やだな、凱・・・・俺は何も」
「いーや!その顔は絶対何かを企んでいるか今から何かを仕掛ける顔だ」
「酷いな」
「ったく、お前の自由だから何をしても構わないけど、空には何もするなよ」
「しないよ・・・・と言うか一つ言い忘れた事を思い出しただけ」
「言い忘れた?」
「うん」
「何を?」
「内緒」
「言え!」
「じゃ、ベッドの中で教えてあげる」
「今言え!」
「もう」
楓がやたら嬉しそうな時は、要注意だ
今までだってそうだったしね
「ドラゴンだよ」
「ドラゴン?」
「うん、ドラゴンを孵した人間は永遠にドラゴンと共にこの世界に居なければいけないって言い伝えを奏に教えてあげたんだけどね」
「それって・・・・・やばいじゃないかっ!そんな事したら空は」
「実は、言い忘れた事はもう一つあって・・・・・」
「もう一つ?」
「ふふっ」
「ふふっ…じゃないだろっ!」
「でも、空がずっとここにいた方が凱も嬉しいんじゃない?」
「・・・・・ま、まぁそうだけど・・・・・でも俺は空を元の世界に帰してやりたい」
「へぇ」
「何だよ」
「優しいね」
「黙れ!で、何を言い忘れたんだ」
「教えない」
「お前・・・・・いい根性してるな」
「そう?」
ったく、いつもはどうでもいい事ばかりだから別に聞きたくも無かったけど、今回は聞き出さなくては
「まぁ、いいや」
「ん?」
「教えないのなら今日から俺は別の部屋に行く」
「駄目」
「だってさ、内緒とかムカつくし所詮俺はそれだけの人間だったんだな~って」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
考えてる考えてる
もう少しだな
「結婚までしてるのに内緒とかさ…・・・傷付くよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
もう一息
「はぁ・・・・・俺は楓に隠し事なんてないのにさ」
「凱、わかった」
うしっ!
俺の勝ちだ!!
「ベッドじゃなくてソファーでもいい」
「・・・・・・一度死んで来い!」
「冗談だよ、教えるから怒らないの」
ムカつく・・・・・・
「じゃ、さっさと言え!今すぐ言え!!」
「うん、座って」
「ぬっ!」
ま、まぁ・・・・肩を抱かれるぐらいはいっか
そのままソファーに腰掛け、楓を見つめた
「で?」
「あのね、ドラゴンにはもう一つ言い伝えがあってね」
「そうなのか?」
「うん、余り知られていないけど俺は知ってる」
「そっか、お前はドラゴンの・・・・・」
「だね、俺はドラゴンの力を唯一受け継いだ家系の人間」
「だったな」
「でも、実際の力はまだよくわからないけどね」
「確かに」
そうだった
楓の家系はドラゴンの騎士のはず
でも、今まで誰もその力を発揮できた奴はいないが楓だけはその力を受け継いでいる
力を持っていても使わないだけ
と言うか、まずドラゴンはあくまでも伝説の生き物だと思われていたし、現に居る事がわかっても、誰も近寄れない生き物だった
だから、その言い伝えを知っているのも当然なんだけど
「ドラゴンを孵した人間は永遠にドラゴンと生きなければいけない・・・・そしてその代償としてその人間は一つだけ願いを叶えてもらえる」
「それって・・・・・」
「もし、空が戻りたいとお願いしたらどうなるのかなって」
「どうなるんだろう」
「ねっ、楽しいでしょ?」
「あのなぁ~!」
う~ん
どうなるんだろう
何でも叶えてもらえるんだからもしかしてもしかすると
でも、永遠にって事は・・・・・う~ん
わからない
「そもそも、何故ドラゴンが今まで姿を現さなかったのか・・・・と言う事を考えた事ある?」
「ないな・・・・何でだろう」
「もし、凱がドラゴンに願いを叶えてもらうとしたら?」
「俺?う~ん」
改めてそう聞かれると悩む
お金…は必要ないし、愛情もうざいほど注がれている
権力には興味がないしな……う~ん
「どう?」
「そうだな、これと言って願いはないけど……魔法のスキルアップとかかな」
「そう言うと思った」
「まだまだ知らない魔法がたくさんあるだろうしな」
「うん……じゃ、空ならどう答えると思う?」
「空か~」
難しいな
でも、何でもと言うのならやはり帰りたいと言うのだろうか
「う~ん」
「もう起きてるだろうから尋ねて来たら?」
「今?」
「うん、奏の部屋にいる」
「そうだな…具合も心配だしお見舞いがてら行ってみるよ」
「だね」
そうと決まれば、早速行ってみよう
空は何が好きだったかな
そんな事を考えながらたくさんのフルーツを持ち、奏の部屋に向かう事にした
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
18 / 55