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奏の優しさ
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「はぁ・・・・・・」
でも驚いたな
まさか嵐で死にかけるなんて信じられない
なんだかここに来てから迷惑ばかりかけているみたいで心が痛い
そっと、首にかけてある袋を握り締め温度を確かめた
「うんうん、温かい」
殻は頑丈だから寝ながらつぶしてしまう事もなさそうだし、もしかしたらお風呂にも入れてあげたほうがいいのかも
「空」
奏だ・・・・・
何だか顔を合わせにくい
「はい」
「食事を持って来た」
「あっ、今行く」
「わかった」
奏に食事を運ばせてしまった
こんな事が知られた俺は死刑かも
急いで服を着て部屋を出ると、奏が窓際のソファーで本を読んでいた
嵐はもう通り過ぎたみたいで、空は綺麗なブルーだった
中庭の木々には雨の雫がまだ残っていて、太陽に反射してキラキラと光っていた
薄いレースのカーテンが揺れて入り込んだ光
奏は七色の太陽の光に包まれているように見えた
「大丈夫か?」
「うん、なんかごめんなさい」
「いや、俺も説明不足だった・・・・すまなかったな」
「ううん、俺が悪いんだ」
「お前が無事でよかった・・・・・本当に」
「奏」
「ほら、お腹が空いただろ?食べろ」
「うん、美味しそう」
相変わらず見た事も無いような食事だったけど、美味しいのはわかっているから躊躇う事もなく食べ始めた
「美味しいっ!」
「そうか」
「うん・・・・・・ん?」
何だろう
いきなり頬に触られたけど
「怪我をしているな」
「平気だよ」
「食べ終わったら凱に治してもらおう」
「大丈夫!こんな怪我で凱の力を使わせるのは悪いし」
「こんな怪我でも俺は心配なんだ」
「・・・・・わかった」
心配してくれる気持ちがわかるから、もう何も言わなかった
「ねぇ奏」
「何だ?」
「もし、また嵐が来たらどうすればいいのかな?どこに逃げても無駄みたいだし」
「普通は外には出ないけどな」
「でも、もし外にいたら?」
「お前は魔法も使えるんだからシールドをはればいい」
「えっ?」
「凱に教えてもらわなかったのか?」
「うん」
「そうか、じゃ体調がよくなったら教えてもらえ」
「わかった」
そんな便利なものがあったとはね
明日早速教えてもらおうかな
「空」
「ん?」
「もしよければお前の世界の話をしてくれないか?」
「俺の?」
「ああ、ここの世界とは違うみたいだし知らない事は教えておいた方がいいと思って」
「そか、うんいいよ」
とは言っても、何もかもが違うんだけど・・・・・・
「今日はここにいてもいいの?俺一人でも大丈夫だよ?」
「いいんだ」
「そか・・・・・ありがとう」
「ああ」
忙しくないのかな?
王子でも休みがあるのかな?
でも、なんだか安心する
どうしてかな?
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