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「西谷。俺は大丈夫だから生徒会室に戻ってろ」
「え、絶対嫌。今の会長、1人にできないし」
「もう出るからそこどけってことだよ、馬鹿」
シャワー室から出た俺に西谷は近くもなく、遠くもなく、適度な距離感で俺のそばにいた。
仕事道具をわざわざ移動させてまでだ。
シャワー室から出る少し前に言ってくれたように、俺の好きな紅茶を作ってくれて、少し心が落ち着く。
「会長、もう時間だからそろそろ寮戻ろか」
西谷は何も聞いてこない。
何があったかなんて、一目瞭然で、本当はすごく聞きたいんだと思う。
それでも聞いてこないのは、俺への気遣いか。
「西谷、ありがとう」
「ん?なにが?俺会長にありがとうなんて言われるようなことしたっけ?」
いつもはちゃらんぽらんで、呆れるほど馬鹿発言ばっかの西谷を少し見直すべきだな。
「さ、戻ろう寮に。今日の晩ご飯、デミグラスソースのハンバーグがオススメだってウエイターさんが言ってた」
「それは美味しそうだな」
結局千葉は戻って来なかった。
風紀室であいつに保護されているのだろう。
震える手をギュッと握りしめ、俺は深呼吸をする。
「会長?大丈夫?」
「あぁ、今行く」
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