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寂しいのは雨の所為…日影
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今日は久々に雨が降っていた。
いつも自転車に乗って登校してくる彼の事がフと頭を過ぎる。
いや、俺には関係ない事だし。
そう脳内で言ってみても、実際彼…日向翔陽とは毎回『どちらが早く体育館に着くか』を競ってるので関係ない事もない。
不戦勝だなんて嫌だ。
まあ少しくらい奴にハンデをやろうかといつもなら走る所を一人寂しく歩いてみる。
差した傘が雨音をより一層寂しそうに響かせている。
つい最近開花したピンク色の花もこの雨じゃ綺麗だなんて到底思えない。
「はぁぁああ…」
精一杯息を吸い込んで大きな大きな溜め息。
いや別にあいつがいないから凹んでる訳じゃなくてだな。
必死に誤魔化してもその誤魔化しを笑ってくれる奴は側にいない。
「…行くか」
迎えに。
今まで何回か通った日向の家。
山一つ越えた所にある家。
自転車30分で着くなら俺は徒歩20分で着いてやろうか。
とか無茶な事考えていたら、目指す道の向こうに愛しい姿がこっちに手を振っているのが見えた。
「影山ー!!傘入れてぇぇえ!」
「持って来いよ!!」
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