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鳥籠から自由にしてあげる
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高校生×高校生(患者)→医者×患者
(症状らしい症状はないです……こんなのも好きなので書いてみました……死ネタのような??違うような??こんなのもありですか??)
鳥籠から自由にしてあげる
そんなメッセージを送ったのはいつのことだっただろう
最初の出会いはネット上
たまたま検索にかかった掲示板
ひときわ丁寧な言葉で書かれた書き込み
なんともなしに返信をすれば
思い出した時に覗けば返信が調度その日に成されてて
それから何度もやったやりとりは
思い出したら、のタイミングで
それがいつもぴったりだった
もう運命だねなんて話して
気が付けば掲示板を飛び出して
お互いのLINEを教えあって繋がった
掲示板と違って
早い反応
俺もLINEならばスタンプも使えるし、と
ずっと続いた
そして、
君の秘密を知ることとなる
君は病院というなの鳥籠から出ることのできない存在
大空を硝子の外から眺めたいと嘆いていた
それならば、と
君に誓った約束
待ってて
俺がそこから出してあげるから
こんこんと扉を叩く
中から「はい」という声
想像通りの声変わりのないその年の男にしては高い声
「迎えに来たよ」
白衣を着て
君のベッドの横に備え付けられた椅子に座る
君と目線をあわせると
最初は不思議に思っていた君がはっとした
君の薄い唇がネット上での俺の名前を呼ぶ
俺はそれに応えるように君のネット上の名前を呼んだ
丸い大きめな君の目からは溢れんばかりの涙
何泣いてんの
俺は君を泣かせにきたんじゃないよ
笑わせにきたんだ
でも、ごめんね……少し遅かった??
身体中にいろんな管のついた細い君
君の生命を支えるそれらを抜いて君を抱く
なんでこんなに軽いのさ
苦笑が零れる
空はね青くて広いんだ
君を抱きながら共に見る空
君の呼吸が浅く早い
ごめんね、辛いよね
そう思うのにさ
君は苦しいとか一言も言わないんだもん
「降ろして……」
桜の木の前で君がいう
立てるとも思えなかった
そんな細い足で
そんな息遣いで
でも、立てるんだから君ってすごいよ
ふらふらしながらも
桜の太い幹に触れて
「桜色の絨毯も…見てみたい、な……」
そうだねそんな話もしたね
まだ冬が開けたばかりで桜は蕾だけ
後少ししたら桜は花開き、散り絨毯を作り出す
「それも約束、だよ、ね……??」
そう君はいうとふと微笑んでその場に崩れ落ちる
はっとして君に寄り
君を抱き締めると額に軽く口付けた
もちろん、約束、だよ……
そう心で応えながら俺は目にいっぱいの涙を溜めていた
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