アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
君の温もりを感じたい
-
社会人×高校生
(発熱、嘔吐)
寒い…
身体がぶるりと震えて目が覚めた
最近、この間までの暑さが嘘のように寒い
寒くなってきたから君が何枚も布団を掛けて暖をとっていたはずだし
隣で眠る君はいつも暖かいから傍にいればいつも寒さを感じるなんてないのに
なんで今日はこんなにも寒さを感じるのか
掛けていた布団を身体に巻き付けて隙間を無くす
その動きに君は気付いて
半分起きたのだろう
「寒い??」
目は開けてないけどそう聞いてきて
俺をぎゅっと抱き締めてくれた
暖かい…
暖かいはずなんだけど
身体の芯が全然暖まらなくて
背中に氷を入れられたみたいに
背筋がぞくぞくする
なんか、変な感覚…
ぎゅっと君の服を握り締める
暖かいのに暖かくない
寝ようと思って目を瞑るけど
全然寝れそうにないし
寒いと思うのに
なぜか額につっと汗が滲んできた
「どうした??寝れない??」
あまりにも変な動きを見せていたのだろう
君は片目だけを開けて俺を見る
「ん……だいじょ…っ……」
大丈夫、ありがとう
そう笑顔で言おうとした瞬間
寝てるのにぐらり目の前がまわる
「えっ、ちょっ、大丈夫か??」
口を噤んだ俺に異変を感じて
君が飛び起きて電気を点ける
瞳孔が光できゅっと閉じる感覚に合わせて
胃がきゅっと収縮した気がした
ヤバい、コレ、吐くかも
俺の身体から警戒音が聞こえて
その場に身を丸めて唇を手で押さえる
「吐く??」
君が問いかける
その言葉にこくんと頷けば
君は「待ってて」とだけ残して
ベッドを降りてばたばたとどこかに向かっていく
目をぎゅっと閉じて
唇をぐっと噛み締める
予感は裏切りを見せずに
確信へと変わっていく
ぐぐっと胃が荒ぶって
びくんびくんと背が波打つ
ダメ、無理、嫌だ
そう思った、思った、の、に……
じわりと目には涙が溜まって
閉じた筈の唇は勢いよく込み上げた物に開かれた
「……っ……はぁ…けほっ……」
口から溢れたそれは横に流れて頬に触れる
生暖かい……
「……んんっ……はぁ……うぇ……」
また波が来て身体が折りたたまれて
そこを濡らす
あぁ、何やってるの??
ぼろぼろと目からは涙が流れ落ちるし
もう嫌になる
「あー、間に合わなかったか……ごめん……」
その声にはっとした
目だけで見た声の先には
洗面器を抱えた君がいて
申し訳なさそうに俺を見る
そんな目で見ないで
「ごめん、ごめんなさい……」
気が付いたら謝っていて
そんな言葉が口から漏れる
目からは涙が止まらない
「なんで、謝るの??」
だって、だって、だって……
汚しちゃっ、た
「僕が悪いから謝らないの。吐いてすっきりした??」
洗面器を傍に置くと
君は僕を抱き締める
僕はそんな言葉にこくりと首を縦に振る
「そっか…すっきりしたならいいよ……」
「でも…布団、が……」
「シーツは洗えばいいし、ね??」
そう言って君は俺の頭を撫でた
優しい愛撫
優しから申し訳ない
「で、も……」
「でも、じゃないの、ね。」
君がそう強く言うからもう何も言えない
君の優しさに包まれて
気が付けば汚れた唇も頬も
流れ落ちた涙さえきれいに拭ってくれる君
ベッドを片付ける間に寝かされたソファーで熱を測られて
寒さの原因は熱だったみたい
しばらくして
きれいになったベッドに寝かされ
ひやりとする冷えピタを額に貼られた
「寒くない??気持ち悪くない??」
ぶるりと身を震わせた僕に
そう聞いてきてさっき以上に強く俺を抱き締める君
今度は大丈夫、寒くない
俺はこくりと頷くといつの間にか眠りに落ちていた
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
110 / 143