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永遠の約束
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高校生×高校生
(病院、死ネタ)
※何年も前に書いたものをサイトから引っ張ってきました
覚えているだろうか
こんな言葉を
死ぬときは一緒だと
そう君が言ったあの日
僕はすごく幸せだった
常に僕の体には点滴から薬が流されていた。
走ることも、外にでることも許されず、運命を憎んでいた。
いっそのこと…そんな時に君の登場。
点滴の針を不意に抜いてとても息苦しくて。
目の前は闇の中。
気分は最悪。
でも、何処か嬉しく感じていた。
目を閉じれば全てが終わる気がして。
液体の落ちる音。
優しく頬を撫でる風。
体に何かが入り込む異物感。
それに僕はもう開けることなどないと思っていた目を開けると、そこは他のベッドがなく、とても薄暗かった。
風がそよそよと入ってきている方を見るとそこに君はいた。
暗い空を何かを考えるように見つめている君が。
「おはよう。」
外を眺めているが僕に言われたような台詞。
僕は何も答えずに君を見つめた。
「気分はどうですか??」
君が僕の方を向いた。
でも、僕を見ていない。
「最悪…。」
「そうですか…。では、わたしがしたことは余計なお世話でしたね。」
すたすたと僕の方に寄ってくる君。
目は依然として僕を見ていない。
「どうします??死にますか??」
点滴に触れ、点滴の管に触れ、包帯の巻かれた腕に触れる。
「これ外したら死ねるみたいですよ??」
死ねる…
今となってはどうでもいいこと。
君にすごく興味がわいた。
「ううん。死ななくていいや。」
「そうですか。じゃあ、こうしてくれませんか??」
「??」
「死ぬときは一緒に死ぬ。」
「え??」
「わたし、先が長くないようなんですよ。今では目も見えず、左手の指は開いたまま動かない。」
君はそう言って僕の頬にそっと触れた。
指の動かない左手で。
「一人で死ぬのは悲しいんです。あなたはどうです??」
いつだって一人だった。
友達だってみんなここからいなくなって、僕を置いていって。
「…僕も…かな…し…い…」
「じゃあ、約束ですよ。」
君はそう言うと微かに笑った。
美しくも儚い君の笑み。
僕は肯定を意味するように君の動かない指に触れた。
それから僕らはずっと一緒だったね…。
夜もどっちかがいつも自分の病室を抜け出して一緒に同じベッドで寝て。
食事も一緒にした。
お風呂にも一緒に入った。
どちらかが辛いときにはお互いに手を握りあった。
とうとう気付いた看護婦さんは僕らを一緒の部屋にしてくれて…。
それから間もなくだった。
君は僕のもとから消えた。
夜中に聞こえたひゅーひゅーと言う苦しそうな息づかい。
僕は必死にナースコールを押してた。
助けてって
僕から君をとらないでって
君は集中治療室に入れられて僕は君の傍に行けなくなった。
傍にいたい。
開けてはいけない戸を開けて、看護婦さんに見つかって鍵をかけられて。
ガラスを思い切り叩いて、でもびくともしなくて。
手が真っ赤になってた。
だけど、そんなの構わなかった。
君から出ている多くの管。
それを抜いたら君は死ぬ??
一緒に死のう
絶対に
ぴーっと言う機械音。
あぁ…今だ…
僕は再び点滴の針を抜いた。
やっと僕は再び君の傍にいける。
微かに微笑むと僕は君の病室の戸に触れた。
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