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18話
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「とりあえずどうしよう?」
軽快に歩き出したものの、行き先が決まらない
喉も渇いたし、またココアでも飲もうかな
そうと決まると、テイクアウト出来るカフェを探す
「あ、ここのココア美味しいって有名だよね」
ネットで見た有名なカフェを見つけた
コーヒーの苦味がまだ慣れない楓には
ココアの甘さがしっくりくる
そんな中で見つけた最近のイマドキなカフェ
「いらっしゃいませ」
美人な店員さん達に出迎えられる
なんとなくぎこちなくなり、緊張してきた
「あっ…コ、ココア一つ…」
「はい、かしこまりました」
高級ホテルに来たかのような雰囲気を醸し出すここは
自分とはかけ離れた空間だな、と身に染みて感じた
周りをキョロキョロと見渡していると
カウンターの奥に男性もいる事に気づく
「うわ、イケメン揃い…ここ凄いな…」
「お待たせ致しました、ココアでございます」
「あっ…、あ、ありがとうございます…!」
びっくりした…!
店員さんが、笑顔で対応する
なんかドキドキする…もう一人で来れないな、ここ…
なんて思いながら店を出た
少し歩くと声をかけられた
「あー!!!!かえでせんせー!!!!」
聞き覚えのある声
声のした方を見ると、あみが猛ダッシュで
楓の方向目掛けて走って来る
「!?…あ、あみちゃん!?」
「せんせーなにしてるのー??」
「いや、なにって…え?あみちゃんお父さんは…?」
辺りを見渡す
もしかして、本当に…?一ノ瀬さんに会えるの…?
「ぱぱー!!」
あみが陽を呼ぶ、その方向を楓も目で追った
「あ…一ノ瀬さ…え?」
「こんにちはー、偶然ですね!」
笑顔で答える一ノ瀬さんの隣に居るその人は、誰?
「こんにちは、楓先生」
その人がとても綺麗な声で、楓の名前を呼ぶ
「こっ…こんにちは、えと」
あまりの迫力に声が詰まる
「あ、桜井由木です、いつもあみちゃんがお世話になってます」
桜井由木と名乗るこの美人な人は
深々と頭を下げ、いかにも特別な人のような気がした
「いっ、いえ、こちらこそ…僕は村上楓です、よろしくお願いします」
なんだろう、この感じ
モヤモヤしてきた
「かえでせんせーなにのんでるのー?」
間がいい所であみちゃんが話に割り込んできた
「ココアだよ、あそこのお店有名なんだって」
「ココア?のみたい!ねぇぱぱ、あみココアのみたいー」
「え、あみココア飲めんのー?」
「のめるよー、ぜんぶのむー」
二人の会話が右から左へとすり抜けていく
この桜井さんの存在が、頭を混乱させる
「はやくいこうよーほらほらー」
グイグイと陽の腕を引き、その店に向かっていく
「わかったわかった、あみ落ち着け…すみません、先生。では失礼します」
ペコッと頭を下げ、その場を離れた
それに続いて桜井さんも頭を下げ二人についていく
その光景をボーッと見つめ
心に穴が開いたような、そんな感覚に陥った
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