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53話
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「…んっ、やめ…」
「何で?…いいじゃん」
「いいわけないだ、ろ…っ!…離せ…っ」
尊の息が耳にかかり、甘い雰囲気に飲み込まれそう
「あっ…」
耳を舐められて、首筋をカリッと噛まれた
それに反応して変な声が出て恥ずかしい
「たまちゃん可愛い、…何でそんな処女みたいな声出すの?」
…っ、処女なんだから仕方ないだろ!!!
「うっ…せーな!」
てか何でお前はそんなに手慣れてんだよ
いやまず、男の経験あったのかよ…!!
悔しい…!!
コンコン…
誰かが部屋をノックした
「お兄ちゃーん」
扉の向こうには弟の薫がいた
ちょうど今は、尊の部屋に二人で篭り
甘い雰囲気を味わっている所だった。
「あー何?そこで言って」
「あ、うん。あのねーなんかお酒届いてるよー」
「…酒?あぁ、はいはい、置いといてー」
「はーい」
パタパタと足音が遠くなる
もう向こうへ行ったな
「…ねぇ離して」
すぐに、熱が冷めて頭が冷静に働く
上に乗っかる尊の胸板を手で押して、冷たい視線を送る
「えなんで?これからじゃん」
「これからもクソもないから。…どいて離れて近づかないで」
ダメだ、ダメだ。
流されるな俺!!
いつものペース、いつものペース!!
「てか尊さ、あんま調子乗るなよ。相手するって言ったのそういう意味じゃないから」
「じゃあ、どういう意味?」
「…だから、それは」
どの言葉を選択すれば良いのか分からない
この関係は正式に、付き合ってるって事なんだけど
そこから先を考える事が出来ない、まず有り得ない…
「恋人同士は色んな事すんじゃん、そんな関係じゃないの?俺ら」
「…知らねーよ」
「マジか?この前告白オッケーしたじゃん」
「した、けど…」
いや、したけどさぁ!
展開早すぎんだよね!
もうちょっと段階踏みたいわ俺も!
「…」
「まぁ…いいよ、ゆっくりしてくから」
いつまでも口を開かない珠妃の頭を撫でて、声をかける
「そのかわり、その時は覚悟してね?」
「…!?その時って…」
「んー?」
ニヤニヤと顔を緩める尊が意地悪に見えた
何か企んでんだ、こいつ…
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