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59話
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「…遅い」
時計を見ると時刻は23時50分頃
シン、と静まり返る部屋に時計の針の音だけが響く
「…」
リビングのダイニングテーブルの上に並べられた
夕飯をきれいにラップをして、彼の帰りを待つ
ガチャ…
(…あっ、帰ってきた)
「…あ、由木ごめん遅なって」
帰宅した陽が由木を見つけて、抱き締める
「ん…、陽くんお酒、結構呑んだの?」
なんだかお酒の匂いが鼻につく
あと、朝は感じなかった仄かな香水の香り。
「んー?いや、まぁ…ぼちぼち、あ…臭う?」
「…お水いれてくるね」
「おー、サンキュー」
コップに水を注いでいる時、後ろから陽が近寄ってくる
腕を腰に回し抱き締められる
「…っ、…なに?どうしたの?」
触り方がいやらしくて、それにビクビク反応してしまう
「…ヤろ」
「え…?」
「…お前見てたら、興奮してきた」
首筋にキスをされ、手が服の中に侵入する
ゆっくり、ゆっくり動くその手に感じるばかり。
「…ぁっ、…や、だ…陽くん、酔ってるんでしょ…ほらこれ飲んで寝て…っ、あッ」
「酔ってる…由木が可愛いすぎるから…」
「んっあ…やだ、今はやめて…陽くん、やめ…」
必死に手を止める、ピクッとなり陽も動くのを止めた
「…なんで?」
「酔ってる、陽くんと…えっちしても、嬉しくないよ…」
「…」
由木を見つめる瞳が若干潤んでいるように見える
焦点が定まっていない
「陽くん、もう寝ようよ…ベッドいこ?」
「…ん」
やっと言う事を聞いてくれて
陽の手を引き寝室までゆっくりペースを合わせて向かう
「…よっ、しょっと!」
「あー…」
「なに?吐きそう?」
「由木ー…」
寝転がり、項垂れながら由木に両手を広げ待ち構える
「んーなに…っわ!」
「ふふ…捕まえた」
ッ…!?
「あ、陽くん…離して、僕も寝るから」
「んー…ちゅーは?」
「…ーっ!!(か、可愛い…!!)」
チュッと軽く重ねてすぐに離れる
こんな甘えたモード全開の陽が珍しすぎて
胸をくすぐられる、たまらなく愛しい
「じゃ…寝よっか、おやすみ!」
「…ぐぅ」
「…あ、寝てる」
いつの間にか寝ていた陽を起こさないように
そぅっと明かりを消してゆっくり目を閉じる
はぁ…
聞きたい事沢山あるのに。
不安で仕方なくなる、さっきから香るその香水の人とか…。
んー…気にしすぎか、そうだよ
そんな大した事じゃないかもしれないし
もう寝よう…
心の中で呟きチラッと陽の方に目を向ける
「…おやすみなさい、陽くん」
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