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67話
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とある日
「…」
「…」
重い重い沈黙に耐える事、早三十分。
「…あの、」
先に口を開いたのは楓だった
駅付近の喫茶店に朔弥と向かい合わせに座り
一向に話を切り出さないのでこちらから切り出した
「なんか…どうしたの?…あー、悩み事?」
チラッと朔弥に視線を合わすと
テーブルのグラスを一点に見つめる彼の口が動いた
「お前って最後にセックスしたのいつ?」
「セッ…!?はっ…!?何言ってんの…!?」
開口一番に出た言葉に思わず
一口飲んだコーヒーを吹き出しそうになる
「え?普通に聞いてんだけど、変な事言った?」
いやいや、十分変な事聞いてると思うけど
なにあっけらかんとしてんの?逆に何?
「な、なんで?」
「俺さ、この前別れてから全然してねーやって思って。お前も長らく彼女いてなかっただろ?どうしてんのかなって不意に思った」
「不意に…そっか、いやあの…」
「あー…いいやごめん、結構ご無沙汰っぽいな」
「…」
当たり。
正直いつシたかも覚えてない、やばい。
もしかして十代の頃?
かも…
何それやばすぎ…
それに比べて朔弥は昔からモテて
彼女が絶えることはなかった
それを近くで見てていつも羨ましく思った
「てか何でそんなにモテんの?同じ人間なのに…」
「何でだろうね?」
「…」
「お前は男にモテてたけどな」
!?
「え?」
「ん?そうだろ?」
何言ってんのこいつマジで
僕が男にモテた?
「いつ?そんな時代全くないけど」
「気づいてなかったのか、そういや高校の時そんな話してたなぁ…中原とか結構お前の事好きっぽかったわ」
「中原…?(誰だっけ?)…ふーん、知らなかった」
「懐かしいなぁ、皆元気かな」
思い出に浸ってるであろう朔弥を見つめて
コテッと首を傾げた
「ねぇねぇ朔弥は?」
「なに?」
「朔弥は僕の事どう思ってた?」
「楓の事?んー普通」
「普通?好きでもなく?嫌いでもなく?」
「うん、普通」
普通って…
そっか幼馴染みはそう答えるか
好きとか言われると思ったけどそれは自意識過剰過ぎた
「何期待してんの?」
「うっせー…あはは、やっぱり朔弥みたいな奴がモテるの気に食わないな」
「はは、そう?俺結構惚れさせんの得意よ?」
「そうかい、そうかい。いい武器ですこと」
「本気出したら男のお前でも俺の事好きにさせるから」
「む…強気…」
フフン、と言わんばかりの笑みを浮かべて楓を挑発する
それに負けじと楓も応える
「いくら何でも朔弥には好きにはならないよ僕は、賭けようか?」
「おーいいよ、じゃあ好きになったらどうする?」
「何でもする、でも好きにならなかったら良い人紹介して」
朔弥の周りに良い人がいるか不安でもあるけど
一応出会いも大事だと思い条件を出した
「決まりー、じゃあせいぜい惚れないように」
「ムカつくなー、ほんと…」
冗談を交えながらどこか楽しんでる自分がいた
失恋後のいい気晴らしになりそう
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