アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
小学6年生。side.樹
-
俺には3つ下に弟がいる。
名前は巽。
イタズラ好きで我が儘で…母さんと父さんはいつも手を焼いている。
――――バンッ!!!
「樹!」
「…なに」
おまけにだ…歳もあまり離れていないせいなのか、その性格のせいなのか…俺のことは、兄貴でも、ましてやお兄ちゃんなんて1度も呼んだためしがないんだ。
もう今は、どうでもいいけど…
それより…こいつは……
デカい足音立てて階段あがってきたと思ったら、ノックもしないで…扉壊れるだろ…
「漫画!この前新刊読んでただろ?それ貸して!」
「…嫌だ」
「なんで!?」
「お前に貸すと、ポテチの油と食べカスで汚れて返ってくる」
「そんなことかよ!」
「………」
「…っ…あーもうっ!食べないから!食べながら読まねーから!貸してってば!」
あぁ―……うるさいなー
そんな事言ってどうせ口だけだ。
10分もしない内に忘れるだろ……
「……3段目の右端」
「よっしゃ!!」
もういいや。諦め、あきらめ…
しっしっと手を払い早く出ていけと言えば、舌を"べーっ"と生意気な態度で部屋を出ていった。
「はぁ…」
なんであんな可愛いげがないんだろうか……
そして。
案の定、その日の夜に返された漫画はポテチの油でギトギトだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 36