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小学6年生。3 side.樹
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スタート地点から50メートル程離れた位置に長机があり、その上にはお題が書かれてある紙が散りばめられている。
3組が既にゴールを終えていて、それぞれのお題の内容は、簡単なものから難しいものまで様々だった。
眼鏡をかけた男の人、白のハンカチ、校長先生の私物、10月生まれの女の人と、みんなの必死に走り回る姿に、会場は盛り上がっていた。
あっ、次世那の番だ。
頑張れっと、心の中で呟く。
意気込む様子の世那を含めて4人がスタートした。
運動が得意じゃない世那にとっては、50メートルの距離でも走るのがしんどそうだ……
後の3人は、既に紙を開いていて各々動き始めていた。
そして、ようやく辿り着いた世那は、紙を見て、すぐにまた走り出した。
内容、なんだったんだろう……
あまり迷う感じがなかったから、そんな難題じゃなかったのかな…
世那の行き先を目で追っていると、控えめな声が俺を呼んだ。
「あっ、あの……樹くん」
「?」
「一緒に来てほしいのっ!」
「えっ、俺?」
コクコクと、必死に頷く目の前の女の子は、確か隣のクラスの………坂井だっけ。
あんまり話したことないな……
それでもとりあえずと思って、お題を聞こうと口を開くも、すぐさま手を引かれてしまった。
その必死さを含めて、色々疑問はあるけど、どうせ後で分かるし……いいか。
そんな風に片付けて、とりあえずゴールまで一緒に走っていった。
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