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バレンタイン 番外編2
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♪~♪~
綾「っ!?…ビビったー。って蒼からかよ」
今別れたばかりなのに何だ?
綾瑠は不審に思いながらも蒼が送信してきた文を読んだ
『( * ・ω・)ノ゙はーあい
幼馴染の僕が自分の気持ちにニブニブな幼馴染に
1個教えてあげるねー( *´艸`)』
誰がニブニブだよ…
綾瑠は少しムッとしながらも続きを見るため、画面をスクロールした
『本当のバレンタインはねー、
男性から女性に贈り物をするんだよー!男性からね!
バレンタインに女性から贈るのは日本だけなんだってー』
だから何だし。俺は別に好きなやつとかいないんだけど?
『だからさ、綾瑠も誰かに贈り物したらー?
別に好きな人じゃなくていいんだよ!
自分にとって大切な人に贈ってみたらー?』
そんな奴俺にいるわけないだろ
『いるわけないとか思ってないで、少し考えてみて』
先を読まれた…
『絶対にいるはずだよ?よく僕にも話してくれたよね
…あー、ここまで言ったらもう答えじゃーん(´△`)
まぁ、ニブニブな幼馴染にはこれぐらいが丁度かな?
じゃあ僕はこれから用事だから、後は自力でよろー
(*´∇`)ノ ではでは~』
俺にとって大切な人…
綾瑠はスマホをポケットにしまいながら蒼に言われたことを考えた
あいつにも話したことがある人…。多分双子の兄ちゃん達の事だろうな……
綾「そんなの言われてなくても、
今まで毎年のように作ってるっての…」
綾瑠はファスナーを開け、鞄の中をじっと見た。そこにはシンプルだが綺麗にラッピングされたチョコレートがあった
綾「そういえば…あいつにも言ってなかったな…」
バレンタインが嫌いなもう1つの理由…
綾瑠は誰もいない道の真ん中で鞄から2つの包を出してそれを見つめた
俺がバレンタインを嫌う理由…こうやって兄ちゃん達にお菓子を作っても渡すことが出来ずに終わるからだ
兄ちゃん達の名前以外知らない高校2年生俺は、探し出すことも出来ない無力な奴だと思い知らされるからだ
綾「今年も無駄になっちまったな…」
暫く見つめた後、それを鞄の中に押し込んで歩き始めた
コンビニの前まで来ると、鞄の中から2人にと作ったお菓子を、当たり前のようにゴミ箱に捨てた
綾「……いつまで待てばいいんだよ…兄ちゃん…」
そう呟き、綾瑠は踵を返した
綾瑠の背中が遠くなった頃、コンビニの前には2つの影があった。そのうちの片方が、ゴミ箱から綾瑠が先程捨てた2つの包を拾い上げた
もう1人は既に遠く小さくなってしまった綾瑠の背中に向かって、ごめんな…綾瑠……と謝った
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