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無口な理由
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トンネルを抜けると景色が一変した
トンネルを通る前は周りはたくさんの木々で囲まれていたが、今は何処か別世界に来てしまったような景色だった
空は黄金(こがね)色で、花弁も色々な色のグラデーションがかかったものが辺りを埋め尽くしていた
そんな花畑のような場所を抜けると未知の何処かの国にでも来たのかと勘違いしてしまいそうな立派な門があった
そこには黒のスーツを着た2人の男が微動打にせずピシッと立っていた
魁虎は男達の前で車を停め窓を開けた
黒スーツ1「此処から先は戦いが続いている
なのに何故行こうとする?」
黒スーツの2人はこの門を通る者に何をしに来たか毎回必ず問う
来た者はその問に誰が来たのか、何処に行きたいのか、本人達の名前を直接言わずに答えなくてはならない。これがこの門を通過する為の合言葉のようなものだ
この合言葉のようなものは誰が来て何をしに来たのかで回答の言葉が変わる。つまり、この黒スーツ2人は此処に出入りする人の名前や顔を全員覚えていることになる
魁「俺は雷と風を魁て来た。蒼いサメの元まで
先陣を切らなくては2匹の肉食獣が暴れ出すだろう」
黒スーツ2「声紋認証異常なし、本人もデータと一致。
どうぞ、お通り下さい」
魁「どーもー」
魁虎は車を発進させた
魁「雷翔様、風翔様。さっき2人が成希と話してる間に
蒼から連絡があったんだけど、今回のロストは
今までと少し違ったみたいだよ」
風「ほんとか?」
魁「うん。今まではただ人が失踪していただけ
だったでしょ?でも今回はさ、目撃者がいたんだ」
雷「その方は?」
魁「神力を持つ10歳の子どもだよ」
2人は驚いた
風「実際の年齢が10歳なのか?」
魁「いや、実際は15歳らしいよ」
雷「外見年齢が止まるのが速すぎですね…」
この世界では神力を持つ者は大体25~40歳ぐらいで外見年齢が止まるのが普通である。因みに動物の霊だけを持つ者は外見の不老は人間と同じ。だが、寿命の長さは変わってくる
長い順に言うと、神(神の生まれ変わり)→神力を持つ者→動物の霊をもらった者→普通の人間、の順になる。(雷翔と風翔は例外)
風「そうだな……魁虎、蒼はそいつの
名前は言ってたか?」
魁「うん、言ってたよ。」
魁虎は自分のスマホを雷翔に渡した
そこには蒼がLimuで送ってきた子どもの情報が書かれていた
魁「名前は咲野水怜(すいれん)
漢字は違うけど睡蓮の花言葉の様な子に育つように
つけられたみたいだよ」
風「咲野って……」
魁「そう。水怜は咲野慶の孫だよ
そして、咲野家の次期トップになる子だよ」
雷「魁虎、先程の成希との会話は聞いていましたね?」
魁「聞いていたけど?水神がどうのって言ってたね」
雷「はい、その水神について今何処で何をしているか
できるだけ詳しく、たくさんの情報を
集めて欲しいんですお願いできますか?」
魁「分かったよ。2人の名前使って
調べさせてもらうからね」
雷「よろしくお願いします」
風「あと、そいつに会うことは出来るか?」
魁「出来るよ。蒼が保護してるからね
多分、仕事部屋にいると思うよ」
風「分かった」
そんな会話をしていると景色がまた変わり、建物が多くなってきた
雷翔達が向かうのはその最深部。つまり、この世界のトップとその術者。あと幹部とその一部の従者のみ入れる建物だ
そこは他とは少し違う雰囲気が漂っていた。国の極秘情報などの重要資料が保管してあり警備が厳重だから、というのもあるが出入りする人の影響もあるだろう
暫らくするとその建物に着いた。建物の前には蒼が立っていた
魁虎が車から降り後部座席のドアを開ける
蒼も車に近づいて雷翔達を出迎えた
蒼「待ってたよー。魁虎から聞いてるかな?」
風「おう、さっきな」
雷「早速ですが、会えますか?」
蒼「勿論。最初から会わせるつもりだったよー」
魁虎は蒼に後から行くと言って、車に乗り込み車を発進させた
蒼「それじゃー、行こっかー」
そして3人は水怜のいる、雷翔と風翔の書斎に向かった
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