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第三章:目覚めし悪魔のおそ松兄さん6
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sideカラ松
一松がぐいっと、俺の腕を引き、耳打ちしてきた。
「クソ松、商店街のタバコ屋の角を曲がった路地裏まで走れ。行き止まりだけど、壁に突っ込め。チョロ松兄さんと、トド松連れて」
「はぁっ!?」
「大丈夫。俺を信じろ」
「でもっ!」
「俺、神だから」一松はにやりと口角を吊り上げる。「俺が足止めしておくから」
いつの間にか、一松の右手には、鎌が握られていた。
所謂「死神の鎌」だ。
しかし、この死神のは、万人がイメージするような、ドデカい立派な鎌でない。
草取りサイズの小さい鎌だ。
昔からこんな鎌で一端に渡り歩いているんだから、大したものだ、と毎回思う。
「わかった。だが約束してくれ。おそ松を傷つけるな」
「りょーかい」
一松は立ち上がった。
その横顔を見上げると、正義の味方というよりも、悪役だった。
もっとも死神に良いイメージがないのは一般ではあるが…
俺は失神したトド松を左に、抜かしているチョロ松を右に抱え、走り出した。
後ろではおそ松が何か喚いていたし、俺の右側では、チョロ松が何か叫んでいた。
しかし、今のこの状況では、殆ど耳に入らず、俺はひたすらに走るより他なかった。
途中で、さっき飛ばされた十四松がピョッと現れ、合流してきた。
「カラ松兄さん、こっち近道!」
十四松は、まるでさっきの俺と一松の会話を聞いていたかのように、俺の数歩前を走った。
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