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ひとりで帰る家
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「海、言い過ぎだよ。」
そんなセリフを言われたのまでは覚えている。
どうしてキミはあの子を庇うの??
だって、悪いのはあの子じゃない。
だって、ボクの方がかわいいじゃない。
だって、あの髪型はボクだけのものじゃない。
何も持たずに家に帰って、鍵がないことに気付いて途方に暮れた。
だから、鍵はキミが持っていたんだった。
何をやっているんだろう、ボクは。
はぁと溜息を吐くと玄関先に置かれたポストが目に入る。
あぁ、そういえば何かあった時にって此処に鍵はあるじゃない。
ポストを開ける何通か入れられた手紙。
手紙を取り出して側面に貼られた鍵をとる。
そういえばポストを開けるのも初めてかもしれないし、鍵を握ったのはすごい久しぶりな気がする。
鍵で玄関の戸を開ける。
右回りなのか左回りなのかも分からなければ、がちゃりと音がして開いたと思って鍵を引けば鍵はとれないし。
もう、どうなっているのか分からない!!
何度も開けて閉めてを繰り返してやっと戸が開いて鍵もとれた。
疲れた。
鍵を開けただけ……それなのに……
靴を脱ぎ散らかす。
鞄を玄関に放り投げる。
いつもはキミが靴並べなさいとか部屋に持っていきなさいって言うけど、そんなの知らない。
知らない、知らない、知らない……。
部屋に行くとベッドにぼふりとダイブする。
もうキミなんて知らないんだから。
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