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16歳 発覚
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コンコン、と控えめなノック音が聞こえる。
返事を待たずに壮介が扉を開けた。
いつも騒がしい壮介も流石に今日は小声だ。
「誠実ぃ、荷物持ってきた…けど。」
授業が終わった時間なのか、確かに少し廊下がにぎやかになってきた。
小説を手に理久の隣に寝転んだままの誠実が扉を振り返る。
誠実は壁際に寝転がり身体を起こそうとしたが、理久が肩に頭を乗せてすよすよと深い眠りについている。
「ありがとう。」
理久を起こさない様にそっと本を閉じると枕元に置いた。
「…お前らって。」
「ん?」
「いや、何でもねぇ。」
誠実の声に反応し理久が身を捩った。
「んん…ぅ…ん。」
眉根に皺を寄せてまるで煩いと言いたいかのようだ。
「ごめんごめん。大丈夫。」
モゾモゾと腕の中唸る理久の背中を摩る。
すると呻きは収まり、身体を摺り寄せた。
ずれた掛け布団で理久が誠実の腰にしっかりと腕を回しているのが見えた。
見てはいけないものを見ているのかと、壮介は視線を逸らした。
「俺、買い物してくる。理久に食わせるもの買ってくる。看ててくれるか?」
理久の腕をそっと解くと誠実がそろりとベッドを離れた。
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