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16歳 正直者
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「…おー、理久やらっしー、これってキスマーク?」
授業の合間の休憩中、自分の席に戻ろうとしたクラスメイトが理久の首の後ろを指差す。
途端にワッと教室が湧いた。
「…っ、ちょっ…違うってこれは!」
慌てて首元を押さえようとしてもその手は捕らわれてジロジロと覗き込まれる。
誠実と視線が合った壮介がニヤリと笑った。
興奮状態のクラスメイトに言い訳は通用しない。
壮介が立ち上がり場を収めようとすると、それに誠実がストップをかけた。
(大丈夫。)
首を横に振りパクパクと口の動きで壮介にそれを伝える。
すると理久が言った。
「…ヤキモチ焼くなよぉ。大丈夫、お前のことも愛してるって…。」
右腕を掴んでいたクラスメイトの耳の傍でフッと息を吹きかけて囁く。
そう言うと二ヒヒっと笑った。
途端に空気が変わって、教室に笑いが溢れる。
元々理久はクラスのムードメーカーだ。
理久の笑顔に皆が釣られる。
「そーだよなぁ、首の後ろなんて、普通女子が付けたりしないよなー。」
「…えっ…!?」
その言葉に反応してしまった理久は表情を引き攣らせる。
理久は素直、というよりバカ正直なのだ。
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