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「待てよ!!」
ガシッと、男のわりに細い腕を掴んだ。レトさんは奮ったこともないような力で俺の手を薙ぎ払う
「さっきからなんなん!?!?先に怒りだしたんはキヨくんの方やん!!帰れ同然のこと言うたから俺帰ろうとしてんのになに引き止めるようなことするん?俺、なんかしたん?」
ハァハァと肩で息をしてるレトさん。俺はただ、見てることしか出来なくて
冷や汗が垂れて、下唇噛んで、服の裾をぎゅっと握って。
真実を伝えたいけど、レトさんは引くだろ?好意を抱いてる俺に、
「おれ、イライラしてたんよ。自己中なその態度...
この際やから言わせてもらうけど」
俺、キヨくんのこと大嫌いやから
なんて言葉が発せられたときには頬に涙が伝っていた。勿論、俺の。
ぎょっとしたレトさんは慌てて、言い過ぎたと謝ってくれた。俺は謝ってくれたことにぶわっときてまた泣き出した
涙を拭い、情けない声でレトさんに
「ごめん...、今日はもう帰って、くんね?」
「おん、またな」
バタンと扉が閉まる。1人静かなその空間で、俺は1人泣いた
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