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深い関係を築こうなんて思ってなかったから、下の名前を知りたいと思った事もなかったけど、空が先生と呼ぶのには違和感があって、あだ名みたいなもので呼べたら不自然じゃないのかなって。だからなんとなく、下の名前が気になった。
「直文」
桜庭さんはちょっとだけ驚いた顔をしてからそう答えた。
なおふみ…桜庭直文。なんか、賢そうな名前だ。
「…じゃあ、直くんですね。」
「え、直くん!?」
「ダメですか?空が呼びやすいかと思って。」
「いや…駄目ではないけど、こんなおじさんに直くんはどうなのかなぁ。周りの人が引いちゃわない?」
「引かないですよ。桜庭さんって実年齢よりずっと若く見えるし、直くんって呼ばれてても違和感なさそうですよ?」
「なんか褒められてるのかそうじゃないのか分からないね。」
「え?凄いなって憧れてるんですよ。俺もそんな大人になりたいです。」
いつまでも若くて健康的で、周りの人からも慕われるような、爽やかを絵に描いたような大人の男に俺もなりたい。
そしたら今より少しは自分に自信が持てるようになる気がする。なんてね。
「空、先生のことね、今日だけ直くんって呼んでね。」
「なおくん?」
「そう、動物園で先生っていうと困っちゃうから、ね?」
「うん、わかった!」
困るっていうか、変っていうか。
勝手にそう決めて桜庭さんを見ると、苦笑を浮かべながら、それでも少し照れたようなハニカミもあって、「ちょっと恥ずかしいなぁ」って、やっぱり照れていた。
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