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俺の家1
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そこから俺たちは大通りへと足を進め、一台のタクシーを拾う
夢翔の家からは車で45分くらいの距離だった
…案外近い?
また、機会があったら夢翔の家にお邪魔することができるのかな…?
なんて思ったりして
タクシーの中ではなぜか喋りにくくて、
スマホを触ったり、音楽を聴いたりしてお互い無言で45分間過ごした
夢翔が住んでいる場所から45分車に揺られていると
だんだんと街の景色も変わってくる
それがなんだか
芸能人と一般市民の距離を表しているみたいで少しだけ胸が痛くなった
いろんなことを考えていたら、
タクシーのおじちゃんにお願いしたマンションの前へと着いた
そう、ここが俺の家
「ありがとうございました」
「ありがとうございました」
ちゃんとタクシーのおじちゃんに挨拶をして車を降りた
降りてタクシーが去ってすぐ、
夢翔が俺のマンションを見上げながら俺に声をかける
…あ、一応俺の住んでるマンションは20階建てだからね?
「祐樹さん?」
「ん??」
「ここが祐樹さんの住んでいる家?」
「そうだよ」
「すてきなところだね!」
さっき、芸能人と一般市民の距離がどうとか考えていたけど、
“すてきなところだね!”って言った後の夢翔の笑顔がキラキラしていてどこか嬉しかった
「ありがとう、んじゃあこんなところに有名人さんがいてばれたら大変なことになっちゃうから、中に入りますか!」
「へへへ」
「え?!そこは、俺有名人じゃないよ!って否定しないんだね…」
「否定して欲しかったの?ふふ」
「別にぃ〜?」
二人でおかしくなって顔を見合わせて笑う
すてきな家って言われてどこかテンションが上がっていたみたい
ちょっとだけ、
自分の浮かれた気持ちに
後から後悔するとは思わなかったけど…
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