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佐上 (Y side)
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部屋に戻り二人でゆっくりと過ごしていると
「理央?いるの?」
と襖が開けられた。
歳はそれなりにとっているだろうに、綺麗な人がそこに立っていた。
「母さん……僕だけじゃないんだから、急に開けないでよ」
「あら!そうよねごめんなさい」
微笑みかけられて、いえいえと首を横に振る。
獅童さんのお母さん。確かに目元がよく似ている。
「ご飯の支度できたから呼びに来たのよ。ついでに雪くんの顔見ようと思ってね」
「雪くんはお客様だよ」
「そうだけど、理央のお友達でもあるでしょう?」
うふふ、と笑って、そろそろ宴会場においでね。と言ったところで獅童さんに追い出されていた。
「母さんは昔からあんなんだから……気にしないで」
「気にしてないですよ。獅童さんと目元とかそっくりですね」
「……ちょっと思ってたんだけどね」
「はい?」
「僕の家族は全員「獅童」だから……理央さん、って呼んでくれない?」
「…………善処します」
薄々思ってはいたが……急に言われると無理だ。
獅童さんを獅童さんって呼ぶのは他の獅童さんからしたらややこしいだろうし、いや他の獅童さんって言っても全員獅童さんで………………。
ちょっとよく分からなくなってきた。
思考を放棄することにした。
丁度良い機会だ。
便乗して呼び方を変えよう。
理央さん、か…。
なんか一気に恋人感。
中学生のようなことを考えながら緩んだ顔を獅童さんに見られていたことを俺は知らない。
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