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ホントとウソ (R side)
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心を惹かれてしまった。
それは事実だ。
こんな歳になって、10歳も年下のガキに。
俺を見てるのは薄々気づいてはいた。
誰にも心を開かず、見せずに育った俺はあからさまに向けられた好意に戸惑い、彼を突き放した。
はずだった。
「お疲れ様、はい、ミルクティーで良かったよね?」
「ありがと」
いつだったか彼に聞かれたことがあった。
"俺の事はなんだって知ってるくせに、自分の事は教えてくれないんですね"
彼の綺麗な瞳は、汚れた俺を写していた。
"獅童さんの全部、見たいんですけど"
そう言われて俺はまた微笑み
"僕はやめといた方が良いと思うけど"
そう言った。
なぜそう言ったのかはわからない、でも、わかりたくない。
俺は彼の事を汚したくはない。
触れたくても触れられないのだから。
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