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ホントとウソ (R side)
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俺が酒が飲みたい、と自分から言い出すのは佐上の家でだけだ。
心を許しているから、良いだろうと佐上に甘えているところも若干ある。
何回来ても最初から慣れることはない。
毎回緊張はしてしまう、仕方ない事だろう、あからさまに好意を向けられているのだから。
……本物の好意かどうかは別として。
頭、体を洗い、浴槽に浸かりのんびりと過ごす。
そろそろあがろうかと思い脱衣所に出てはじめて気づく。
「佐上くーんタオル、引き出しに無いみたいなんだけどー、あと、服も。」
洗濯物は妹さんの仕事だと聞いたことがある、取り込み忘れてしまったのだろうか。
「ちょっと待っててー」
二階に上がる階段の音、そして降りてくる音。
「ごめん、はい、タオルと服」
「ありがとう」
受け取り体を拭こうと思い、一旦ドアを閉めようとしたのだが、またまた視線が痛い。
ひょろい、とでも思われているのだろうか非常に情けない。
「佐上くん…ドア、閉めて大丈夫?」
「…ちゃんと拭きなよ」
そう言ってリビングに戻っていく佐上の背中は少し暗くも見えたが特に気にせず体を拭い、服を着て廊下に出る。
気持ち良かったよ、とリビングに向かうと暗い顔をした佐上と目が合う。
今日の佐上は情緒が不安定すぎると思う。
佐上が風呂からあがったら、酒を飲もう。
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