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ホントとウソ (R side)
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佐上が風呂に入ってる間、スマホを覗きメッセージをひとつづつ読み、消していく。
ほとんどのメッセージが迷惑な勧誘だとかなんだとか。
…ただひとつを除いて。
ずっと既読もつけずに、通知は既に50を越えていた。
一日一文のメッセージ。
なぜいなくなったんだとか、なぜ俺を避けるのだとか。
俺の勝手だろう、と思いながら既読はつけずにアプリを閉じる。
それと同時に佐上が戻ってくる。
機嫌を取り直し、明るく振るまう。
「あ、おかえりー」
かしてくれた半袖のTシャツ。
少しでかいのは慣れたが、もう少し太るべきかとは思う。
「お酒、飲んでもいい?」
「どーぞ」
楽しみなのは佐上もなのだろうか、一人で楽しむのも気が引ける。
「「かんぱーい」」
「うまー」
「ひさしぶりだろ、酒」
「うん、ずっと忙しかったからね、主に佐上くんが」
「……アンタもでしょ、オツカレサマ」
「いやいや佐上くんこそぉ~お疲れ様~」
前言撤回。
酒旨すぎる。
久しぶりで身に染みわたる。
佐上はザルだ。
俺は佐上に心も許しまくってはいる。
俺が佐上の事で知らないことはあるのだろうか。
あるなら知りたい。
勿論仕事のため、のはず。
……俺は何かから逃げている気がする。
それがなにかはわからないし、わかりたくもない。
気付きたくはない。
……俺は彼に全てを知られた上で、彼を愛することが出来るのだろうか。
彼は俺を愛して続けてくれるのだろうか。
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