アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*59*
-
また、雰囲気に浸ろうとする僕を、痛烈な言葉が打ちのめす。
「多分、この空気、一ヶ月持たないから。」
「えっ!?」
なんで、そんな事言うの?と続きたいところだが、声にならなかった。
口ごもる僕を横目にコジマさんが続ける。
「俺も、ノリとか勢いでいきたいけど…絶対、俺たちの関係、一年も持たないって…
下手したら、一ヶ月後には喧嘩三昧だよ?」
それって、やっぱり付き合うのは無理って言ってる事じゃないのかな?
それとも、だから、付き合わずにセフレになりましょう的な意味?
などと、頭に浮かんだが、すぐ決め付けるといわれた手前、それも呑み込む。
黙っていると、大振りで、コジマさんがぼくの肩を掴んだ。
「でも、俺、ひー君がマジで好き。
あの話聞いて、ちょっとセックス紛いの事して、更にこんな自己愛の塊みたいなドMツンデレ幸せに出来るのは俺しかいないって確信したし、より一生添い遂げたいと思ったくらいだ!」
「コジマさん…」
途中、ちょっと聞き流せない箇所があった。
確かに、その意見に納得させられたから、男同士とか関係なく、素直にこの人と付き合ってもいいなぁと思えたのだろうが…
本人が言ったとおり、皆まで言われると、そんなんでいいのだろうかと、今更ながら冷静になる部分もある。
引きつる僕の笑顔に、コジマさんの笑顔も引きつった。
「いや……あの……とりあえず、コジマさんって余所余所しいから、名前で呼んで。」
「えっ……でも、いきなり?恥ずいし!」
「とか言って、俺の名前、忘れてじゃないの?」
「わすれてねー!イサム!」
「いやん!不意打ち!」
「でも、恥ずかしいから、イーサンにする。」
「おお!外人みたい!………って、おいい!!」
「ノリツッコミかよ!?」
「いやいや、ごめん。本当に、今のは、完全に俺が悪い…」
そう言うと、どこか憔悴した顔でコジマさん改めイーサン…いや、やっぱ、恥ずかしいからコジマさんでいいや。
とにかく、コジマさんは、再び頭を掻いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
59 / 119