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雪の降る季節 19
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篠原柊side
「目、閉じろよ…」
「は?なんで?」
「み、見られてると落ちつかねーんだよ!」
「はあ…」
「いいから、閉じろって!」
先輩にそう言われてゆっくりと目を閉じる。
なんだかキス待ちしてるみたいで少しドキドキする。
先輩は少し震えながらも俺の耳に付けてあるピアスを外そうと必死だ、たぶん。
だって、手震えてるから全然外れてないみたいだし。
小声で外れないとか呟いてるし。
ま、そういうとこもかわいいんだけど。
「先輩手震えてるでしょ?」
「そ、そんなことない。」
「だって、全然外せてないじゃん。」
「だから、見んなって!」
「見てないし。」
「う"っ…じゃ、じゃあ、気が散るからちょっと黙ってろ!」
先輩にそう言われて、我慢出来ずにおかしくてクスクス笑うと、「笑うな!」って言われて。
「はいはい。」と答えながら先輩がピアスを付けてくれるのを待つ。
本当は目を開けて、俺のために一生懸命ピアスを付けてくれている先輩を見たいけど、我慢。
そして、ようやく両方の耳に付いているピアスを外せて。
片耳にピアスを付けることが出来たみたいで。
俺の手のひらからもう1つのピアスが離れていった。
「ね、先輩。」
「んー…何?」
「目、開けていい?」
「ダメ。」
「なんで?」
「き、気が散る、から…」
「それだけ?」
「それだけ。」
「本当にそれだけ?」
「っ…」
「先輩。」
「は、恥ずかしいんだよ…ジロジロ見られるの…。」
「いいじゃん、俺なんだし。」
「おまえだから嫌なんだよ!」
あ、さっきのかわいかったな…
俺だから、か…
こんな些細なことで幸せを感じる。
今まではそんなことなかったのに。
やっぱり先輩といるだけで幸せなんだ。
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