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事実
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「.....っ、おれ、.....っ」
その事実に気付いた瞬間、ずきんと胸が刺されたみたいに痛くなった。
「日向.....?おい、どうし.....」
涙が出ていた。
なんでもっと早く気づけなかったんだろう。
いや、昨日の時点で気付くべきだった。
頬を伝う雫が収まらなくて、陽樹の腕を掴んだ。陽樹はなんでおれが泣いてるのか分からないらしく、びっくりしていた。
「....なんだ、なんで泣いてんだ」
ごしごしと涙を拭ってくれる陽樹がそう言ってくれて、でも、おれが泣く事じゃないのに、って思った。
けど、まーくんの気持ちを考えたら、それがもし自分だったらと考えたら、すごく悲しくなった。同時に、まーくんはおれをほんとは嫌いなんじゃないかとも思ってしまう。
「おれ.....っ、ま、くん、どうしよう.....っ」
涙を止めようと頑張って、変な風に話してしまう。でも、陽樹に言わなきゃ。
「ちゃんと言え、落ち着いて、ほら」
陽樹が目を見てくれる。
これを告げて、陽樹がまーくんを気になっちゃったりしたらどうしようっても思う。
「....まーくんが、はるきのこと、」
.....でも、そんなのずるいから。
「ん?」
「.....好き、なんだ、多分.....」
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