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はじめての仕事。4
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そこまで、言うのなら……。
「文句じゃ無いんですが」
「へー、文句じゃ無いんだ。てっきり『洗い物ばっか嫌ですー』って言うのかと思ったよ」
全くその通りだ。
分かってるんじゃん。
俺の言いたいこと。
「俺もお菓子作りたいなぁって思っただけです。だって折角パティシエになるためにここに来たから……」
「いきなり商品作らせて貰えるとでも思ってたの?俊希くん、そんな腕の持ち主だったんだー」
「違います!けど、俺も作りたいんです!」
「作らせるわけないじゃん」
「でもっ!嫌です!作らせてください」
じーっと目を見合わせて、
お互い相手から視線をそらさない。
そのまま静かに数秒がたつ。
先に口を開いたのは、翔さんだった。
「ねぇ俊希くん」
「なんですか?」
俺だって言われっぱなしで言いわけがない。
あえて強気の返答をする。
「目から涙出てる」
「はぇっ!?」
慌てて手の泡を落として、目頭をこする。
本当だ……。
俺の顔が恥ずかしさで、一気に熱を帯びた。
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