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サイカが戻ったあと、秋人は急いで風呂に入った。
サイカに心配をかけてしまったので、風呂にはつからずシャワーだけでさっとすませて出る。適当に髪をふきタオルを首にかけ、Tシャツと短パンに着替ると秋人は居間にむかう。
長く暗い廊下を歩きながら秋人はどんな顔でサイカに会えばいいのかと眉間にシワをよせた。
好きと自覚したいじょう今までと同じように接する事ができるか不安だった。
「どうしよう…。」
そんなこんな悩んでいるうちに居間の前まで来てしまった。秋人が襖に手をかけ
ゆっくりと開けると、中ではサイカがテレビを見ながらくつろいでいた。
秋人の存在に気づいたサイカは、視線をテレビから秋人にやる。
「あっ、秋人。おかえりなさい。」
そういったサイカの姿に、秋人思わずみいってしまった。
少し乱れた着物から覗く胸板は普段はわからなかったがけっこうたくましく男らしい、そして、いつもは密編みにされた長い髪は暑いのか今はポニーテールにしていて首筋がなんとも色っぽい。
ニコリと笑うサイカに秋人は胸がきゅうっとなるのを感じた。
ヤバイ……。かっこいい……。
見とれて動けなくなっているとサイカは「湯冷めをしてしまうからこっちにおいで。」と言ってきた。
バクッバクッバクッ
緊張でありえないほど心臓が脈をうつ。
秋人はゆっくりとサイカに近付くとその横に座ろうとした。しかし、急に腕を引っ張られバランスを崩してしまう。
「えっ?」
倒れるっ!と思った時には既に遅く、秋人は目をつぶり衝撃に備えた。
ボスンッ!
…………………………。
…………あれ……?
しかし、いくら待っても衝撃はおとずれない。
それどころかなんだか柔らかいような感じがする。
おかしいと思い目を開けると、目の前にはサイカの顔があった。
「っ~!?!?」
ビックリしすぎて言葉にならない。
「急に引っ張ってしまってすまない。ビックリしたよね!?」
「…どうして…………。」
どうにか言葉を絞り出した秋人は自分の今の状況にさらに固まってしまう。
秋人はサイカの膝に横抱きにされるように座っていたのだ。
「すすすすっ!すいませんっ!!?」
急いでどこうとする秋人にサイカは肩をつかみ止める。
「ダメだよ秋人。ほら、かして?」
サイカはパニック状態の秋人を座りなおさせると、首にかかったタオルをとった。そして、秋人のまだ濡れている髪にふわりとかけ優しくふきだす。
「濡れたままでは風邪をひいてしまうからちゃんとふかなきゃね?!」
「サイカさん……。」
もう……ダメだ……。
ドキドキが限界にたっした秋人は、恥ずかしさやらなんやらで赤い顔を両手で隠すと膝の上で動かなくなってしまった。
そんな秋人をサイカは「可愛いなぁ」とおもいながら髪をふき続けた。
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