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(うぅ、恥ずかしぃ……。)
秋人はまだ少し赤みのさした頬を気にしながら布団を敷いていく。
サイカのおもわぬ力持ちさを知り、興奮と憧れから秋人は「かっこいい」と言ってしまった。勿論本心から思った事だがやはり恋愛感情があると、どうも恥ずかしくてたまらない。しかもその後、なぜか手を繋がれてしまい余計恥ずかしさがまし、自分でもわかるほど顔が赤くなってしまった。
秋人は自分のこのすぐ赤くなってしまうところはなんとかならないものかと、いつも思っていて、今一番の悩み事だった。
敷いた布団の上に枕を置き、タオルケットを膝にかける。
横のちゃぶ台の上には、白い鳥が柔らかいタオルで出来た布団ですやすやと寝ている。
「早く元気になって欲しいですね。」
「そうだね。そのためにもしっかり看病してあげようね。」
サイカと秋人は白い鳥を起こさぬように、優しく撫でる。
(明日には目を覚ますといいなぁ。)
サイカはすくっと立ち上がり、電気のスイッチの前まで行き手をかけた。
「秋人、もう寝よう。電気消していいかい?」
「ちょっと待ってサイカさん。」
「なんだい?」
「良かったら、サイカさんも布団敷いて一緒に寝ませんか?」
「えっ?」
「いやっ!嫌だったらいいんですけど、昔じいちゃんともここで寝たりしたなーって思い出して……。何だか懐かしくて……。」
秋人は祖父を思い出したためか、少し悲しそうな顔で下を向きタオルケットを指でいじっている。
サイカはスイッチにかけていた手をはなし、秋人の目の前にしゃがんだ。
「一緒に寝ましょうか。」
サイカの言葉に一気に元気になった秋人は、勢いよく立ち上がるとサイカの腕を引っ張った。
「サイカさんの布団用意しなきゃ!お客さん用のがあるから一緒にとりに行きましょう!!」
秋人はニコニコ笑いながらサイカの手を引っ張り居間をでていった。
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