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ニコニコと笑顔を浮かべながら廊下を歩く。
あからさまなヤンキー先輩の指先を掴んで。
ボクは結構目立つほうだし、先輩もその容姿はすこぶる目立つ。だからすっごい見られた。ジロジロどころじゃないくらい見られた。
いやいや、見すぎ。視線が痛いどころじゃない。
重い。
そんな同級生達からの視線をまるっきり無視してずんずん歩く。
人気がなくなってくると先輩が口を開いた。
『あ、あの…』
「なんですか、先輩?」
『じ、自動販売機はこっちじゃない、ぞ?』
どもり方が半端ない。さっきあっくんと話してる時もなんか喋り方おかしかったし。なんなの人見知りなの?
『あぁ、行くのは自販機じゃないので。』
「こ、購買も反対側よ?」
『購買にも行く気ないので。』
そろそろ察したかなぁ...。
ボクが向かっているのは校舎の中にある別棟。
急激な入学者の増大に備えて空き教室がいくつかある棟だ。
長い廊下をキョロりと見回して手近な教室に先輩を押し込む。
幸い、もう片方のドアは机が積み上げられていて開かない。
『あ、あの、なんでこんなところに?』
「いやぁ、ボク先輩にお話があって。」
この人怖いのは見た目だけかな。すっごい震えてる。3mくらいは離れてるけどここからでもわかるくらいガックガク。
「それ、ボクのなんですよ。まぁさっき言ったけど。それでね?
先輩。ボクそれ十年来ずーっとやってるんです。」
先輩がわけがわからないって顔をする。
そりゃそうだろう。
常人からすれば理解なんてできるはずがない。
こんな可愛らしい見た目をしたボクが
「このことがバレると、ボク色々と都合が悪いんですよ。」
口元を歪めて笑うボクを指さしながら、先輩がわなわなと震わえる唇を開いた
『な、なんで?!た、たかだか、合気道の道着じゃない!』
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