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兎系男子、雪代新也:犬
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時は移って昼休み、いつもなら黒井は女子連中に囲まれて食堂へ連れていかれるのだが今日は違った。
オレの机と黒井の机が向かい合わせになっている。そしてその机に凸の時になるようにどこかから持ってきたらしい机が引っつけられていて、
『久しぶりにあっくんとお昼だねー。』
雪代新也がニコニコしながら座っていた。
あの後、この白兎のなんだかよくわからん圧に押されて昼ごはんを一緒に食べようという流れに持ち込まれた。黒井の幼なじみらしいが、なんでオレまで巻き込まれてんだ?
頭のてっぺんから音符でも出てそうな感じの雪代といつもとそう変わらない黒井、毛色の違う美少年がオレの視界に収まっている。なんっだこれ?!!?!?
未だに現実を飲み込み切れてない。はじ、初めて黒いと昼ご飯食べる!余計なのがいるけど...とジーッと雪代を見てみると、にっこり笑い返された。
『ツッチーはさ、今年初めてあっくんと同じクラスになったんだよね?』
「ま、まぁ...」
『あっくんって普段ほとんど自分から喋りに行かないんだけど、どうやって仲良くなったのー?』
あからさまに探ってくるような視線に晒されると手汗が出てきた。今口に入ってるのが唐揚げなのか卵焼きなのかわからん。どうしよう。何でだ。
「あ、あー、始業式の日にマシュマロやったから?何か、うん。すっごい距離縮まったっていうか…」
『え、そんなんだったっけ』
いや、黒井お前覚えてないんかい!ちょっとショックだわぁ...
ちらっと雪代を見てみると、真っ赤な目はまだ俺を品定めしていた。
『あらぁ、そりゃ釣れちゃうわー。あっくん甘いのは好きくないけどマシュマロは別だもんねー。』
「うん。」
もくもくと爆弾おにぎりを口いっぱいに頬張る黒井。その細い体のどこに入ると思ってんだというほどの貢ぎ物が机の上に広げられている。最初は女子がわらわらしてたんだが、雪代がすいっと追っ払ってしまった。さすが幼なじみ。慣れてらっしゃる。
『すっごい量だねー。』
『シンはまたそれだけ?』
『うん。最近数値が高いらしくて、厳しいのー。』
「数値?」
『そ。ボク、食べちゃダメなものと、食べてもいいけど量制限されちゃうものがあるの。』
へにょりと雪代の眉が下がる。
ふーん。アルビノってのが関係あるのかなー、なんて思いながら自分の弁当をかたす。正直これだけじゃ足りないっていうのもあるんだが...
『いかにもー、って感じだねぇ』
『欲しいなら普通に言えよ。めんどい』
「アハ。黒井くん一個ちょーだい。」
『ん。』
そう言うと黒井はチョココロネをひとつ俺に差し出した。ありがたくいただくことにして包装を向く。
『珍しいねー、あっくんが人にものあげるなんて。』
『別に。』
『ボクにもそのメロンパンちょうだい?』
『やらん。』
『もうっ、イケズぅうッ!
なんでツッチーはいいのに僕はダメなの?』
『お前制限中だろ。』
『ちょっとくらい大丈夫だって!』
『ダメ。それに土屋にはマシュマロアイスの借りがある。』
俺の前で繰り広げられる幼なじみ同士のやり取り...じゃ、若干妬いた、かも、しれない。
『ちゃっかり気に入ってるんだね』
ん?なんか聞こえた?
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