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誕生日に恋心を自覚してから、みどりはきいろへの想いをどうしたらいいのかわからなかった。きいろと行動を共にし、毎日きいろと過ごすたびに胸がちくちくと痛んだ。
そんなある日、あるクラスメイトが噂していた。
「きいろくんさ、そういえば8組の山口まゆと付き合ってるだってね」
「今日告白しておっけーもらったんでしょ、いいなぁ」
「俺のきいろがああ。きいろならそこらの女子よりかわいいし付き合えると思ったのに」
「いや、あんたなんか絶対無理よ。月とスッポンよ」
4、5人で騒いでいるのを耳にした。
目の前がまっくらになる気がした。
俺はきいろの特別なんじゃないの?
あのとき好きだと言っていたじゃないか。なぜ。
帰り道、きいろはいつも通り駐輪場で待っていた。部活の仲間と別れる。
「おつかれ、みどり」
帰りながらどうでもいい話をした。音楽や、食べ物やいろいろ。
俺がききたいのはそんな話じゃない。
きいろの会話を遮ってきいた。
「山口まゆと付き合ってるって本当なの?」
しんと静まり返った。きいろは驚いたように目を見開いた。
「だれからきいたの?」
「クラスメイトが噂してた」
嘘だと笑って欲しかった。いつものように、笑って遊びだよと言って欲しかった。
「そうだよ。まゆと付き合ってる」
きいろの言葉は俺をどんぞこに突き落とした。
それから、俺たちは無言で家まで帰った。
元気のない俺を家族はみんな心配そうに見つめていた。
部屋できいろからもらったネックレスを握りしめる。
あの星空を思い出すと涙がでた。
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