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「え?」
思わず、聞き返す。
きいろは、珍しく軽蔑した目で俺を見つめた。
「みどりが俺に隠し事をするなんて。 あのよそよそしかった時期はそういうことだったのか」
ばれた。きいろへの隠し事が。なぜ、なぜなんだ。もしや昨日の夜ー
「高校の時もそうだ。みどりは、黙って父親と俺を引き離した。君は、父さんの吸っていたドラッグを徴収して、通報した。そして、俺への虐待も明らかにしたね。おれは廃人化しかけてた父さんを救うためにと、自分に言い聞かせていたけど。」
きいろは、急にケラケラ笑い出した。
そして、一枚の黄色のいちょうの葉を足元から拾うと、びりびりと真っ二つに裂いた。
「ありがとう。みどり。この秘密も俺を想ってくれたからでしょ?」
きいろは、破いた葉をぱらぱらと落とした。
俺は石のように固まって動けない。
「みどりは優しいね」
きいろの優しくも突き放すようなその言葉と冷たい風が俺の心を真っ二つに引き裂いた。
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