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朝になると、きいろは先に目覚めていた。みどりは、目をこすりカーテンの隙間から零れる光に目を細めた。
「おはよう、きいろ」
きいろは、寝癖で髪がぴょんぴょん跳ねていた。
「みどり、おはよう」
きいろは、笑顔で答えた。
居間におりると、優香はもう出かけていた。
母のつくった白ご飯と味噌汁を食べる。
きいろは、全部食べた。完食したものの、ひどく顔色が悪そうだ。
「きいろ、無理して食べたらだめだよ」
俺の言葉に、きいろは大丈夫と言った。
「美味しかったから、全部入った」
きいろは、食器を片付け洗い始める。かちゃかちゃと洗う音がした。
母さんも仕事にでかけ、父さんと山菜をとりに山に向かう。
終始、きいろは無言だった。
昨日、なにかあったのだろうか。
山に登ると、紅葉していて綺麗だった。
イチョウや紅葉の赤と黄色のコンストラクトに感動する。
歩くとザクザクと葉っぱの破れる音がした。
父さんは、車を止めてくるといっていたので俺たちは二人きりで待っていた。
風が吹き、葉っぱが散った。
きいろは、俺を見つめて言った。
「みどり、俺に隠し事をしてたんだね」
葉っぱがからからと音を立てて落ちた。
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