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「ベッド、どこ」
スラックスのポケットから鍵を取り出し 彼に渡すと、男はすぐに鍵を開け その言葉を口にした。
「…真っ直ぐ行って、右曲がったとこ」
まるで酒に酔っているみたいだと思った。
足取りがおぼつかない。
男に支えられながら 寝室へと向かうも、この状況に頭は追いついていけていなかった。
寝室へ入るやいなや ベッドに座るように指示される。
彼の言うことに従い、体の火照りに身を任せてしまえばいい。
そのとき僕は 心の中で確信した。
自分の知らない世界が始まるのだ、と。
「そういえば、名前」
金色の髪を掻き上げる右手に何やら紋章のようなものを見つけ、反射的に手を伸ばした。
「これ…なに?」
「証明書、みたいな」
一体何のことなのか 僕にはさっぱりわからない。
首を傾げて男を見上げると 彼はもう一度口を開く。
「…淫魔の、証明書」
思わず唾を飲んだ。
“淫魔”なんて、実在しないものだと思っていた。
「だから、アンタの精気が必要」
「…そ、っか」
「アンタのは、綺麗で美味しいから好きだ」
ほだされているのはわかってる。
彼にとっては誰でも同じだってわかってる。
でも
必要としてくれるのが嬉しい。
自分を選んでくれたのが嬉しい。
「…僕は 中条 直(ナカジョウ ナオ)、君は?」
あぁ、なんて僕は単純なんだろう。
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