アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2章ー12
-
テスト返却のあと三条先生にノート運びを指名され、俺は三条先生のいる部屋に行く。
ノートとは、テスト後にどれだけちゃんと勉強したかを見るために提出するノートだ。
これによって内申点に影響する。
「失礼します」
数学の職員室は広い。それはたくさんの先生がいるからだ。
しかし職員室には三条先生しかいなかった。
それで察した。これはイベントだ。間違いない。
「これを運べばいいんですよね?」
「ああ」
ノート40人分。かなり重そうだ。
ちょっと持つのを躊躇していると、三条先生がノートの半分を持つ。
「私も半分持つから、中村はもう半分を持て」
半分、と言いながら、三条先生の持っているノートの数のほうが明らかに多い。
もしかして、俺と話すために指名したのか?
しかし、三条先生は無口だし、俺も何を話していいのか分からない。
つまり気まずい雰囲気が流れているわけで。
・・・三条先生は、無口で冷たいイメージだ。
人間らしい顔をするのは理央を怒っているときくらいかもしれない。
それくらい、普段仮面をかぶったかのような顔しか知らない。
・・・補習の時の顔は人間味があったけど、あくまで小説の世界、だしな。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
56 / 154