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衝突
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やってしまった。
二ノ宮君が僕にいろいろ言ってくるのはいつもの事なのに。
溢れそうになる涙を指ですくう。
二ノ宮くんにあの噂が伝わったら嫌だなぁ。
噂は噂で、本当じゃないって僕が一番よく分かってるはずなのに、それでも怖い。
「堂々と、なんてできるかな」
「お前、遥かっ!?」
「え、っ、大原くん……」
誰にも見られたくないのに、こんな時に限って会いたくない人に会ってしまった。
「こんなところで、何してるんだ?」
心配してくれてる?違う。
だって声が鋭いから。目が睨んでるから。
「何でもないよ。
それより、君が生徒会に入るって、僕聞いてないんだけど」
探す手間が省けたと、さっきの事を聞いてみた。
「あぁ!翼たちがいいって言ったんだ!
ずっと一緒だってな!
それより、泣いてるのか!?」
痛いところを突かれた。
せっかく話題を変えたのに、意味ないじゃないか。
「泣いてないよ」
「でも目、赤いぞ!?」
なんてやつだと思った。
この前は俺が悪者とばかりに言ってきたのに。いつもいつも、囲まれてるのに。
二ノ宮くんのやつだって、元はと言えば……っ、
…あぁ、なんてやつなのは、僕の方だ。
全部大原くんのせいにしたいだけじゃないか。
「いいから、ほっといて」
「泣いてるなら、俺が助けてやるぞ!」
「っ、は?」
「俺ら友達だろ!だから助けてやる!」
「ほっといてって、聞こえない?」
友達?
助けたやる?
本当にもう……
「誰のせいだと思ってるの?
もう僕に関わら、な、いで……」
言いすぎた。
違う、逆ギレだ。
そう思ったのと、視界の端に走ってくる紀田くんたちを見つけたのは同時だった。
「蓮!!」
橋倉くんが怒鳴りながら走ってくる。
三人とも、僕を睨んだまま。
あぁ、もう。
本当に嫌だ。
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