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ほんわかと
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借り物競争が終わって桜月君と一緒にテントに戻ろうとしたら、「俺次、出番なんで」
と笑って行ってしまった。
仕方なく1人でテントに戻ると、他のみんなは巡回中なのか、二ノ宮君1人だけ座っていた。
「おつかれ」
「ありがとう。二ノ宮君は、まだ出番ないの?」
「俺は騎馬戦だからな。昼だ」
なるほど。
でも、二ノ宮君が出たらみんなは寄り付かなさそうだ、と1人で思う。
「お前……、直人のこと好きだったのか?」
突然さっきの借り物競争の話題になったらしい。
うん、聞いてたんだ。といえば、二ノ宮君はなんとも言えない表情をした。
怒ってるのも違う、悲しいのも違う、喜んでるのも違う。
あ、あんまり会長が好き好き言ったらダメなのかな…?
「も、もちろん人としてだよ!?」
何だか必死に弁解をしてしまった。
そんなこと分かってるだろうに。
「あ、当たり前だろ!」
2人とも焦って、微妙な空気が漂う。
「お前はもう出番ないのか?」
その気まずさを先に破ったのは二ノ宮だった。
「あー、昼からの障害物競走に出るかな」
ん?と何か気付いたような二ノ宮君。
「お前、運動苦手なの?」
おっと、僕があまり激しく動かなくていいような種目を選んでいることに気付いたらしい。
す、鋭いな………。
「まぁまぁ、かな?」
「嘘だろ」
ははっと笑った。
わ、笑った…!!
正直、運動ができないって気づかれたら、また会長なのにどーのこーのと言われるかと思っていたけど……
まさか笑い飛ばしてくれるとは。
ふふふ、と僕もつられて笑う。
「バレちゃった」
僕がそう言ったら、二ノ宮君はパッと視線をずらした。
「……午後、頑張れよ」
「あ、うん。二ノ宮君もね」
変わったなぁ。
二ノ宮君も、僕らの関係も。
嬉しい。
何でこんなに心が暖かいのだろう。
「出番まだまだだし、僕もちょっと見回ってくるよ」
「は?任せろっつっただろ?」
「いやぁ、、僕一人で座ってるのも…」
「はー、お前は。危なくなったら呼べよ」
「!うん。ありがとう!」
許可してもらえなくても押し通そうと思っていたけど、呼んでいいとまで言われるとは思ってなかったな。
ふふ、なんだろ、今日はすごく調子がいい。
校舎の裏庭に入った時、影から声が聞こえてきたのはすぐだった。
この声、大原君?
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