アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
海に必要なもの
-
「あ、あの!ほ、本当にこれ大丈夫なんですか!?」
「何言ってるの!似合ってるじゃない。可愛いわよ!」
翌日。
朝早くから車を回し、二ノ宮一家と桜月君、僕で二ノ宮家プライベートビーチにやってきた。
人はいないし、綺麗だし、海の家じゃなくて別荘で、もう凄いです。
そして、早速泳ごうとなって、冒頭。
つまり、二ノ宮母が用意してくれた水着に着替えているところ、なんだけど…
「ぱ、パーカーまで用意してくださったのは本当、ありがたいんですけど…なんで、なんで、
こんなズボンの丈が短いんですか!」
普通膝丈でしょう!?
「だって遥くんの足、綺麗なんだもの!」
用意されていたものは、
水色の長袖の薄手のパーカーに、膝上、というより足のほとんどが見えそうなくらい短い海パンと、定番のビーチサンダル。
パーカーがお尻下までくらいで少し長めになっていて、海パンを余計に短くしてる気がする。
「こ、これ許されるの小学生くらいまでじゃないですか!?」
「だから大丈夫だって!ほら、足綺麗じゃない!」
女の子や小学生くらいなら許されると思うけれど、高校生男子が着るものじゃないよ…
いや、僕の小学生のときより、短いかも。
ちなみに、他の4人はもう海の方へ行っていて、僕と、水着の様子を見に来た二ノ宮母だけがまだ別荘内に残っている。
こ、こんなの着て出ていけないって!
ほらもう!諦めなさい!と僕の背中を押し、ぐいぐいと扉の方へと向かっていく。
「ちょ、む、無理ですよ!」
半泣きで抵抗するも、意外に力が強く、その動きを止めることができない。
ガチャ、と玄関の扉を開ける。
目の前に広がるのは、白い砂のビーチ。
その向こうに広がる海は、エメラルドグリーンに光っている。
僕を待ってていてくれたのか、手前に設置されたパラソルで、二ノ宮くんと、先生、桜月君と二ノ宮父が喋っていた。
おや?と真っ先に気付いたのは二ノ宮父。
「母さん、遥くんは?」
僕はというと、二ノ宮母の後ろに隠れていた。
二ノ宮父の声に、みんながこちらを向く。
みんな、普通の海パンなのに…。
「あら?ふふ、恥ずかしがってるの」
ほら、と優しく僕に笑いかける。
うん、今はそれが優しくなんて思えないけど…。
「鈴原?」
「あ、…」
不審げな二ノ宮くんの声に、どうしようかと心が揺れる。
みんな、待ってるよな…。
「んん?あぁ、なるほど」
ひょいっと横から顔を出した二ノ宮父が僕を見て納得した様子で笑った。
「母さん、また遊んだね」
「遊んでないわよ?真剣よ」
「それなら仕方ないねぇ」
「え、うわっ!?」
クイっと肩を引かれ、一歩その場から横にずれた。
つまりそれは、二ノ宮母という壁がなくなってみんなからは丸見えだということで…
「〜〜〜っ!!」
それに気付いた僕は、反射的にパーカーの裾を下に引っ張った。
顔が熱い。
じ、と固まったままの3人。
「あ、あ、あんまり、見ないでくださいっ」
これ以上無理というほど、パーカーを引っ張る。
「いやそれ逆効果だと思うんですけど…」
桜月君の言葉に、ますます混乱する。
「ほほほほんと、見ないでください。おかしい、から、あの…」
「あ、あー、いや。似合ってるぞ?」
いやそれもそれでおかしいですって!
「なぁ真人?」
「っ、あ、あぁ。か、…似合ってるぞ」
似合っていると言われても、嬉しくない、
褒められても、信じれない。
こ、こんな羞恥は初めてだ。
「でもそれ、足焼けるんじゃね?」
「そこなのよ。日焼け止めあるけど。塗ってあげようかしら?」
「え!?い、いや、遠慮します…」
「なら私が塗ろうか?」
と二ノ宮くんのお父さん。
「なんなら、俺が塗るぞ?」
と二ノ宮先生。
「なんか先生キモいです。俺が塗りますよ」
と桜月くん。
「お前らっ!」
と二ノ宮くん。
口々にいうみんな。
「…日焼け止めくらい自分で塗ります!!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
96 / 256