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第3章 14
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「…へぇ、行く先決まったんだ」
「……あぁ」
「そっか、おめでと。…じゃあもー卒業まではゆっくりできるね」
「…………そうだな」
放課後の教室
そんな事を話しながら時間を潰す
短大に行きながら、バーのバイトするんだって
なんか、目標高いなぁ
「……そっかー…卒業か…」
「……」
せっかく友達出来たのに
でも別れも必然、か
今までそう思えば自然と忘れられた
だけど今回は何となくそんな簡単に忘れられそうになさそうで
「…トーアー、かまってー」
「かまってやってる」
机の上に背中合わせで座る
これも後何回できるんだろ
笑っていたい
でも、笑えそうにない
だから作ってでも笑って
トアには、俺の笑顔を覚えていてほしい
俺は君を覚えるから
「………ね、トア知ってる?キスって男でもイイらしいよ」
「………知らない」
「…ね、試してみようよ」
背後を向いて
顔を上げてくれないトアの両頬を包む
大好きなトア
誰よりも、心の底から
きっとコレは恋じゃない
絶対叶わないって知ってるから
「…ん………っ」
唇に唇を寄せて
ただ触れるだけのキスを
柔らかくて、しっとりしてて
俺の大好きな人の、最初で最後の
「……どぉ?」
「…どうも何もない」
「酷いなぁ…」
きっと引かれたよね
また背を向けて、背中合わせに
今のキスに俺の全部を
この恋も、愛も、勇気も全部
君にあげる
「…ごめんね?冗談だから許してねー?」
「…………二度とするな」
「もちろん、分かってるよー」
もう恋なんてしないよ、君に
全部あげちゃったもん
「…………バカだなぁ…俺」
「…そんなの前からだろ」
「……そーだったね」
君のそばにいさせてね
もちろん、友情の意味で
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