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──翌日。
今日の学校帰りも、俺は友達寄り道をしてから帰宅した。
「はぁぁぁ・・・・」
俺の帰り道の肩は重い。口からも重いため息がでる。
あの家の部屋では息を殺したように過ごしている
まぁ空気を悪くしてるのは俺だという自覚はあるけれど
昨日のことを、遙さんに言うべきか言わないでおくべきか考えると、自然とため息が出る・・・・・・。
でも、遙さん、泣いちゃうかな…
いや、だなぁ。それは。
「おかえり」
玄関を入ると、エプロンをつけた遙さんが俺を出迎えた。
「・・・・・・」
やっぱり言えない……と思った俺は、黙って遙さんの横を通りすぎる。
「ね、ねぇ!どうして……!?」
ところが、部屋に入ろうとしたとき、遙さんが大声を上げた。俺は足を止める。
「どうして……どうして“家族”になってくれないの!?」
大粒の涙をポロポロ落とすとはこういう事を言うんだろうなぁ、なんて綺麗な泣き顔を見て思った。
じゃあ…お前は…どうしておふくろのことを忘れて3人家族になろうとしてんだよ。違うだろ?
俺たちは"4人家族”なんだよ。
俺は申し訳ない気持ちはあったけど、遙さんの頭を撫でるだけして、自分の部屋に入った。
「義姉さん、撫でる時、ビビってたなぁ、そりゃそうか」
最近、ピリピリしてるやつに触られたら殴られるかと思うよな。前までよく頭を撫で合いっことかしてたのになぁ。
「義姉さん…おふくろ…ごめん」
きっとおふくろは俺が家族として仲良くできることを望むはず、優しい人だったから。できなくてごめん
俺は一人の部屋で毎日謝っていた。
今日も、ただ、ボソボソと謝っていた。
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