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side 福田涼太
屋上で寝た充の頭を撫で続けていたら「んんっ…」と声が聞こえて漫画を読んでいたスマホを置き、チラッと充を見る。
「撫でられると落ち着くのか?猫みたいだな」
なんて空を見ながら呟く
返事なんてないだろうと思っていると
「ううん、福田の手、好きだから、だよー、」
なんて声が聞こえてハッと慌てて充の顔を見たけれどスヤスヤと寝ていた。寝言、と言うより、うつらうつらとした意識の中で返事したって感じなんだろう
案の定起きてから「さっきのどういう意味だ?」と聞いたけど「何の話?」って言われた。
こいつ、絶対人前で寝たらダメなタイプだ。
人前で寝るなよ?と忠告したけど多分あまり気にしていないこいつは自分の顔が綺麗だという自覚を持って欲しいと改めて思ったお昼だった。
またいつも通りの放課後
いつも通りPS4をする俺と、漫画を読む充。
この間までTWOPIECE読みながら海賊の秘宝探すための旅に出ていたこいつは、途中までは友人に借りていたらしく、今はもう最新刊まで読み終わってしまって別の漫画に手を出していた。
俺は少しゲームがつまらなくなって、目が疲れたなぁ、こいつと話したいなぁ、なんて思いながら漫画を読み進めている充を見ていて、そう言えばこいつ警戒心なさすぎないか、と思い出す。
部屋が少し暖かいのか制服を少し着崩して、下を向いているせいで見えるうなじにゴクッと俺の喉がなる。
触りてぇなぁ…。
毎度の事ながら、一応付き合っているという設定なのに、軽々しく男の部屋のベッドに座るこいつの気が知れない。
男として見られてねぇのか。
あ、なんかイラッときた。
「充」
「ん?」
漫画を読みながら返事をする充
そんなに鬼殺の刃は面白いかよ。
いや面白いけどさ。
俺は無言で頭を撫で始めた
「なんだよ」
「別に邪魔してないだろ」
そう言って俺は撫でるのを辞めない。
こいつの茶髪?クリーム色?明るめの髪はパッと見派手に見えるけど、猫っ毛なのか、手にしっとり絡んできて、とても撫で心地がいい。
「充」
「だからなんだよ」
バッ!と漫画から顔を背けて俺の方を見る充
頭を撫でていたから目がちゃんと見えた
「充、綺麗」
「は?」
「目、黒だと思ってたのに、青みがかってんのな」
「っ…!離せ!」
「なんだよ、見せろよ、いつも前髪で見えないんだから」
「隠してんの」
ぱっと離されていく前髪と瞳
「どうして?綺麗なのに」
「もー良いだろー、撫でるなよ」
俺の手を充が掴んで頭から離そうとする
俺はその手をギュッと握り返して世にいう"恋人繋ぎ"というものに変えて、ぐっと上へ手を引っ張る。
そうすると「うわっ」と言って体は俺と向かい合って、膝からは漫画がバサッと落ちた。
驚いたのか何も言わない充と黙って手を引いてる俺
少しの間の沈黙が流れて俺は充の瞳をじっと見つめた
「…見せてやるから、手ぇ離してよ。」
目をスっと逸らされた後恥ずかしそうにそう言って
「その手の繋ぎ方で引っ張られたらお前とダンスしてるみたいじゃん」
とちょっと面白いこと言われた。たしかに。
にしてももうちょっと雰囲気いい事言えねぇのかこいつ
まぁ、俺のこと好きなわけじゃないしな
無理強いして嫌われたくねぇし
少し考えて
「放課後の帰り道手ぇ繋いでくれるならいいよ」
「はぁ?」
「いやぁクラスのやつがイチャイチャしてるとこ見ないから本当に付き合ってんのか?って噂しててよぉ」
ま、嘘だけど。俺教室にはほとんど居ねぇし。
でも俺の事を信じて「それもそうか」なんて1人で呟いている充。おバカで可愛い。おバカで。
「しゃーねーな」
「ありがとよ、じゃ、見せて」
「ほんとに見んのかよ~~~」
そう言って手を離したあと前髪をぐっとあげて仕方なしに見せてくれる充。
クリアになって出された顔は本当に整っていて綺麗だった
いつか、この顔を産んだ両親の顔も見てみたいな
「ほんとに、綺麗だ」
「…そうかよ。」
綺麗なのは、"噂"で知ってたけど未だに笑った顔は見ないし、この顔で笑顔ならもうそれは破壊力がすごそう
そっと頬に手を当てる
「お前、手ぇ、あったけ」
そう言ってスリッと寄せてくる充
───────チュ
静かな部屋にエッチなリップ音が響く
あ、やべ。
「帰る!」
「ちょっ、おい!」
────────バタンッ!
「あ~ぁ…」
やっちまったぁ…
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