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「っ……裕太……?」
「っ……えっ……?」
優しく頬を撫でられて、僕は我に返った。
目の前には、複雑な顔をした、それでもイケメンの晴山さんがいる。
一気に状況が蘇った。
焦りと緊張で、僕の身体は強ばったままで、無意識に手が震える。
「っ…………」
「裕太?何考えてる?顔が真っ青だぞ」
晴山さんの声は、少し不機嫌そうに低かったのに、この時の僕はそれさえもわからなかった。
「何でもないですよ…?」
自分の声の震えを抑え、微笑んで返す。
だけど晴山さんは、無言で僕をじっと見つめてくる。
さっきまでのイヤラシイ空気はどこにも無い。
残っているのは、『険悪』とか、バツの悪い言葉が似合う空気。
「……今日はもう寝よう」
「ぇ…………」
突然、晴山さんはそう言ってベッドから立ち上がり、僕の服を持ってきた。
「風邪ひくから服来て寝ろよ」
バサッと、目の前に放られた僕の服。
「俺もっかい風呂入ってくるから先寝ろ」
それだけ言い残して、晴山さんはシャワールームに姿を消した。
僕は……何かしてしまったのだろうか……
理由なんて全然わかんない……
晴山さん怒ってるのか……?
ぼーっとしつつ、服を着る。
ズボンは寝にくいから、取り敢えずTシャツとパンツでいいよね……。
適当に乱れたシーツを直して、キングサイズのベッドの端の端で布団をかぶる。
意外にも体温が高くなっていたのか、布団はすぐに温まる。
夜で、疲れていて……とても眠たくなった。
瞼が下がれば……もう…………
シャワーの流れる音を遠くに聞きながら、僕は意識を闇に落とした────────
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