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96〜大和目線〜
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裕太と出会ったのは入学式。
俺が玄関の前で荷物をぶちまけたのがきっかけだ。
親関連で、大事な書類が多くて、紙はバサバサに舞った。
『うわっ、やべぇ!!どうしよ』
風が強かったせいか、1枚、飛ばされてしまった。
でも、こっちの地面に落ちたのを先に片付けないと……いや、あの紙どっかいっちゃうかも……!?
残念ながら要領の悪い俺はどうすればいいか、飛んだ紙と、地面にバラバラの紙を交互に見るしかなかった。
『……よし、先に……。え』
飛んだ紙を取りに行こうとした時、1人の男子生徒が、頭上に舞った紙をジャンプして見事掴んだ。
『あ、ありがたい……』
男子生徒は辺りをキョロキョロ見回して、あの紙が飛んできた所を探しているようだった。
すると、その男子生徒は俺に見つめられている事に気付いたらしい。
スタスタとこっちに歩み寄り、しゃがんだ俺の前に立った。
『これ、君の?大丈夫?』
『え、あ、うん!!ありがとう』
スッと紙を差し出して、俺が受け取ると、そのまま地面に落ちている紙を拾い出した。
『今日は風がつよいもんね。』
1枚、1枚丁寧に揃えて、拾ってくれる。
な、なんてイイヤツなんだ……!!!!!!!
紙をぶちまけても、誰一人として拾ってくれそうもなかったのに!!
そのせいで数倍、そいつがカッコよく見えた。
俺も慌てて拾い出す。書類に順番が無いことだけが幸いかもしれない。
『よし。これで全部!!』
『集まってよかった。』
うぉ…………。
ニコッと笑うソイツは爽やかで、可愛くて、思わず見つめてしまいそうになる。
『君も新入生?』
『え、あぁ。6組の片倉大和』
君『も』ってことは、コイツも新入生か。
まぁ、可愛いから先輩って雰囲気ないけど……。
『6組?僕も!!僕は泉裕太。同じクラスならよろしく!!』
にぱっと更に顔を明るくしたコイツ……泉裕太は立ち上がり、しゃがんでる俺の前に手を出してきた。
『おう!!よろしく!!』
俺はその手を取りながら立ち上がった。
ん……?
しゃがんでたから全く分からなかった。
コイツ……
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